UR賃貸はテレビCMも頻繁に行っており、高齢者から子育て世帯までの幅広い世代から人気のある団地やニュータウンのイメージを持っている方が多いと思います。
しかし、年金受給者や高齢者は、賃貸物件を借りにくい・貸してくれないという噂を耳にしたことのある方もいるため、入居することができるのか疑問に感じている方もいます。
高齢者や年金受給者は、賃貸物件の審査で厳しい印象があるけどUR賃貸はどうなの?
UR賃貸の審査内容や年齢制限、物件選びの注意点などをこの記事にまとめたよ!
ご高齢の方で、収入は年金受給しかないという方、これからUR賃貸へお引越しをお考えの場合は、ぜひご参考に最後まで読んで頂けますと幸いです。
- UR賃貸は年金受給者でも、入居することが可能か?
- 高齢者の年齢制限や、年金受給者向けの制度はあるのか
- 高齢者向け、UR賃貸でお部屋選びの注意点
宅建士:(大阪)第118737号・建築CAD2級・基本情報技術者
シュース 健人
しゅーす けんと
UR賃貸プロの運営メンバーかつ、ラク賃不動産の運営メンバー。シンクタンク・不動産会社勤務の経験を活かして、不動産全般のお悩み相談が可能です。
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結論、UR賃貸は年金受給者が入居可能
まずは結論からお伝えしますが、UR賃貸は年金受給者だからといって断られることもなく、お申し込み資格さえ満たせば、ご入居頂くことは可能です。では、「お申し込み資格」の詳細と年金受給者向けの留意点をご紹介します。
UR賃貸のお申し込み資格
UR賃貸には以下5点のお申し込み資格を満たす必要があります。
- 申込者本人の平均月収額が基準月収額以上ある方
- 日本国籍の方、またはURが定める資格を持つ外国籍の方で、継続して自ら居住するための住宅を必要とする方
- 単身者もしくは現に同居し、または同居しようとする親族のある方
- 申込者本人を含めた同居世帯全員が、URが定める入居開始可能日から1か月以内に入居でき、物件内で円満な共同生活を営むことができる方
- 申込者本人を含めた同居世帯全員が暴力団員などではない方
恐らく皆さん、上記の5点がどういう内容か理解がしにくくて、止まっている方も多いでしょう。上記をかみ砕いて誰でも理解しやすいように要約すると、以下5点になります。
- 希望のお部屋の家賃に住めるだけ、月収はありますか?
- 日本国籍の方は入居可能。また、在留資格・永住者も入居可能。
- 単身者は入居可能。親族であれば、同居者も入居可能。
- 鍵のお渡しから、1カ月以内に引越しできる人。
- 暴力団員や反社会的勢力の方は入居できません。
上記の通り、お申し込み資格に「65歳以上は入居できない」など、年齢制限に関する記述はありまんので、ご高齢の方でも心配せずにUR賃貸へご入居頂くことが可能です。
しかし、「①申込者本人の平均月収額が基準月収額以上ある方」という点で、年金受給者の方でも問題が無いか気になるかと思いますので、次章で基準月収額のルールをご紹介します。
月収額の基準をより詳しく解説
先ほどのお申し込み資格で、「①申込者本人の平均月収額が基準月収額以上ある方」という点が気になっていることでしょう。基準月収額とお家賃の金額についてルールは以下の通りとなります。
家賃額 | 基準月収額 |
62,500円未満 | 家賃額の4倍 |
62,500円以上 20万円未満 | 25万円(固定額) |
20万円以上 | 40万円(固定額) |
家賃額 | 基準月収額 |
62,500円未満 | 家賃額の4倍 |
62,500円以上 20万円未満 | 33万円(固定額) |
20万円以上 | 40万円(固定額) |
したがって、ご自身の年金の月収額が、ご自身の希望しているお部屋の家賃と照らし合わせて、上記表を満たしているか、ご確認頂く必要があります。恐らく年金の月収額が月25万円以上ある方は少ないと思いますので、基本的に年金の受給額の4分の1以下のお家賃でお部屋をお探しになると良いでしょう。
貯蓄はコツコツ貯めているけど、基準月収額で家賃の4倍以上の月収が無い、そういった時に住みたい物件を諦めるしかないのでしょうか?いいえ、貯蓄を活用して入居資格を満たす方法もあります。
- 家賃の一時払い制度の活用
→1年以上分のお家賃を前払いすることにより、お申し込み可能。 - 貯蓄基準制度の活用
→お家賃の100倍以上の預金を証明することにより、お申し込み可能。 - <高齢者の特例>扶養等親族の協力が必要
→扶養等親族の基準月収額もしくは基準貯蓄額以上の場合、お申し込み可能。
上記のどれか1つを満たすことにより、基準月収額の収入が足りない方でも、お申し込み資格を満たすことができます。年金の受給額は希望のお部屋に住むには少し足りないけど、貯蓄を今までしてきたご高齢の方や、扶養等親族にご協力いただける方にとっては、ありがたい制度です。
UR賃貸は年金受給者向けの割引はある?
高齢者や年金受給者向けにUR賃貸が行っている割引制度をご紹介します。しかし、条件を満たせば好きなお部屋が割引になるのではなく、特定のお部屋や団地だけが対象物件となっていますので、注意が必要です。
また、抽選や先着順などで受け付けていることが多いため、かなり競争率は高いと思ってください。(詳細が気になる方は最寄りのUR住まいセンターへご確認・ご相談いただくことをオススメします)
①高齢者向け優良賃貸住宅
通称、「高優賃(こうゆうちん)」と呼ばれている、高齢者向けの賃貸住宅となります。設備の特徴として、段差が室内に無く、手すりが各所に設置されており、緊急時の呼出ボタンなどもあるため、ご高齢の方でも安心して住むことのできる環境となっております。
また、「高齢者の居住の安全確保に関する法律」に基づいて、家賃減額分を国とURで折半で負担することになっているため、入居者の家賃負担が減るようになっている住宅となります。
関東圏には、一部対象物件があるようですが、日本全国には対象団地が少なく、競争率も非常に高いため、ご興味のある方はURの店舗へお問合せ頂くことをオススメします。
②健康寿命サポート住宅
高齢者が安全に住むことができるように、転倒防止の手すりやトイレ入口・浴槽の段差解消などを行っている、高齢者向けの住戸があります。
また、健康寿命サポート住宅は減額対象者に家賃20%減額(最大25,000円)など、割引制度があります。しかし、お部屋のよって20%の割引が適用されない場合などもあるため、減額対象者や減額条件については、UR店舗で直接ご相談ください。
ご相談用の窓口
UR賃貸では、高齢者向けの窓口を用意しております。まだ2箇所しかありませんが、相談窓口に社会福祉士やケアマネージャー等の有資格者を配置しているため、安心してご相談いただくことが可能です。ただし、事前の予約が必要となりますので、気になる方はお電話でご確認頂くと良いでしょう。
①UR八重洲営業センター
電話:03-3527-9502
開設日時:火曜日・土曜日(午前10時~午後5時)
②UR梅田営業センター
電話:06-6346-3446
開設日時:火曜日・土曜日(午前10時~午後5時)
年金受給者・高齢者がUR賃貸を選ぶときの注意点
ご高齢の方や年金受給者でも、UR賃貸への入居が可能とお伝えしましたが、UR賃貸は旧公団の古い団地が多いのも事実です。物件選びの際の注意点を何点かご紹介します。
①エレベーターの有無・スキップフロアの確認
UR賃貸の団地の中には、エレベーターが無い団地も多いです。
ご高齢の方であれば、5階まで階段で上がることは厳しいと思いますので、エレベーターが無い団地をご希望の場合は、低層階の1階・2階のお部屋を選択しましょう。
また、エレベーターのある物件でも、スキップフロア型のマンションというのも存在し、偶数階はエレベーターが停止しないフロアの場合もあります。なので、エレベーターが付いているマンションでもエレベーター停止階の住戸か確認しましょう。
エレベーターの無い団地で上の階に住むと、お引越しや荷物の搬入が大変だったり、ゴミ出しや病気の際に上り降りが大変にはなりますが、周辺相場よりお家賃が安かったり、朝のエレベーター混雑を心配しなくて良いというメリットもありますので、ご自身で実際に現地に出向いて判断頂いても良いでしょう。
②洗濯機置き場の有無確認
UR賃貸の古い団地の中には、洗濯パン・防水パンが無い住戸もあります。
そもそも発想として、洗濯機置場が室内に無いということが考えれない方にとっては、室内を内覧するときに洗濯機置場の位置を確認することを忘れており、実際にお引越しのタイミングで、洗濯機置場が無いことに気付く方もいます。
なお、洗濯機置きの台を購入して、給水ホース・排水ホースを浴室から引っ張ってきて洗濯するという手段もありますが、ご高齢の方にとっては、体力的な負担を少し感じるかと思います。
もちろん、家賃が相場より少しお安いというメリットはありますが、日常の家事に負担を増やさないようにするために、洗濯機置場のあるお部屋を優先的に選ばれることをおすすめします。
③室内の段差・バリアフリー化の確認
やはり古い団地ということもあり、今時のマンションのようなフラットな作りになっていないことが多く、室内の段差が感じられる物件も多数あります。
特に、和室とリビングの段差・廊下と浴室の段差・トイレとリビングの段差など、「和室」・「水回り」だけ他のお部屋と比べて段差があって、躓きそうになる住戸が多いのも事実です。
段差を解消するための室内用スロープを設置し、転倒防止用の手すりを設置するという手段もありますが、これらの対策をする方もいますが、もしどうしても段差が無い物件をご希望でしたら、高齢者向けの「高齢者向け優良賃貸住宅」・「健康寿命サポート住宅」・「URシニア賃貸住宅(ボナージュ)」などをバリアフリー住戸もあります。
まとめ:UR賃貸に年金受給者が住むことは可能
以上、年金受給者向けにUR賃貸へご入居可能か、注意することはあるかをご紹介しました。
- UR賃貸は年齢制限が無いため、高齢者も入居可能
- 年金受給額が、基準月収額の条件を満たせる家賃帯の住戸を選ぶ
- 基準月収額が厳しい場合は、家賃の100倍の貯金を証明するか、家賃1年分を前払いする
- もし、月収も貯蓄も満たせない場合は、扶養等親族の協力で条件を満たす
- 高齢者向け住戸はあるが、実際は募集がほとんど無い(競争率が高い)
ご高齢の方にとって、年齢制限が無いという点がUR賃貸最大のメリットになりますが、所得や貯蓄の条件がやや厳しめとなっております。是非、老後のお住まいをお探しの方やご家族の方の参考になりますと幸いです。