
※画像出典:毎日新聞
広島市教育委員会は中学生向けの「平和教材」を改訂、米国の水爆実験で被爆したマグロ漁船「第五福竜丸」の記述を削除する方針を決めました。平和教材を巡っては今年2月に漫画「はだしのゲン」を削除を決定。これに対して、日本原水爆被害者団体協議会などは撤回を求める事態になっています。
■広島平和教材から第五福竜丸の記述も削除へ
https://nordot.app/1003573063742210048
共同通信 2023/03/01
広島市教育委員会が、市立小中高校の平和教育の教材から漫画「はだしのゲン」を削除する方針を決めた問題で、69年前の3月1日に米国のビキニ水爆実験で被ばくした第五福竜丸の記述もなくすことが1日、市教委への取材で分かった。
■広島市平和教材、「第五福竜丸」も削除 中学向け、23年度から
https://mainichi.jp/articles/20230301/k00/00m/040/366000c
毎日新聞 2023/3/1 21:21(最終更新 3/2 17:31)
広島市教育委員会は、中学生向けの平和教材から、米国の水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」の記述を削除することを決めた。被ばくの実相が十分に伝わらないとして、2023年度から別の内容に差し替える。授業では今後も取り上げるという。
市教委の平和教材を巡っては、漫画「はだしのゲン」の掲載取りやめも決まっており、日本被団協などが撤回を求めている。
はだしのゲンに続く愚行!
2023年03月01日(水)。広島県広島市の教育委員会は中学生向けの「平和教育プログラム」の教材を改訂、米国の水爆実験で被爆したマグロ漁船「第五福竜丸」の記述を削除することを決めました。2023年度以降は別の内容に差し替える方針です。一方で「授業」では今後も取り上げます。
広島県では国語や道徳などの時間を使って「平和の担い手」を育成する教育を続けてきました。2013年度(平成25年)に統一教材「ひろしま平和ノート」を作成、各学年で年間3時間を授業に割いています。これまでは核兵器を巡る世界の現状をテーマにした章の冒頭で「第五福竜丸」について紹介しています。
第五福竜丸は1954年3月1日、太平洋マーシャル諸島のビキニ環礁の水爆実験で「死の灰(放射性降下物)」を浴びて乗組員23人全員被爆、問題の概要の他、無線長の故・久保山愛吉氏の残した「原水爆の被害者は私を最後にしてほしい」の言葉を写真入りで載せています。
第五福竜丸「排除」の背景は?
市立小中高校で実施されている「平和教育プログラム」の内容を検証する有識者会議は、第五福竜丸の記述は「故・久保山愛吉氏の思いを伝えること」に重点を置いていて「被爆の実相を確実に継承する内容になっていない」と指摘、同教育委員会は削除を決めました。
平和教育プログラムの教材を巡っては今年2月に漫画「はだしのゲン」を削除する方針を決めました。これに対して、日本原水爆被害者団体協議会などは撤回を求める事態になっています。
Twitterの反応!
なんとまあ…… 広島市教委がポジティブにどんなものを推しているのかが知りたい。そこになんらかの「平和理念」の転換が読み取れるのではないかなどと考え
— 早川タダノリ (@hayakawa2600) March 1, 2023
広島平和教材から第五福竜丸の記述も削除へ(共同通信)https://t.co/G0YMNGDiUZ
何故?というのがかなりある。冷戦時代の核開発戦争なんて、負の遺産として認められていて歴史に載るものだし、何故削除するのか。 / “広島平和教材から第五福竜丸の記述も削除へ | 共同通信” https://t.co/0Y1Mxi1QXk #教育 #歴史
— nakakzs (@nakakzs) March 1, 2023
こうした一連の出来事は、歴史修正と強い親和性を持つと考えます。
— 佐藤直樹 (@satonaoki69) March 1, 2023
核兵器の惨害を二度と繰り返さないと思うなら。はだしのゲンも第五福竜丸も、決して避けて通れない。
広島平和教材から第五福竜丸の記述も削除へ https://t.co/bvTIUDOYjx
SF爺さん・SF婆さんは、『ゴジラ』の第一作は昭和29年(1954年)であり、その年になぜゴジラが生まれたのかを、子供や若者に叩き込むんだ。語り継ぐんだ。https://t.co/ze632VNG8W
— 冬樹蛉 Ray FUYUKI (@ray_fyk) March 1, 2023
じゃあ何を教えるんだよ。逆に。
— ぴーすけP🌸🕊 (@maruru23598) March 1, 2023
広島平和教材から第五福竜丸の記述も削除へ(共同通信)#Yahooニュースhttps://t.co/aP6nbBwUgO
管理人後記!
はだしのゲンと同様に「一部」を引用するだけでは被爆の実相に迫りにくいのであれば誤解されないように全面的に取り上げれば問題は解決できます。
近年、戦争や原水爆を巡っては右派を中心に歴史修正の動きは活発です。広島市教育委員会の判断はこの流れを受けての可能性は高いです。戦争を巡る歴史修正や隠蔽行為は国会で野党によって度々問題視されています。
また「表現規制」の観点で見れば大きな問題を孕んでいます。これは「フェミニズム」や「ポリティカル・コレクトネス」に基く「キャンセル・カルチャー」の行き着く先で「公共性を理由に特定の表現を排除することの『ハードル』を下げた結果」です。
取って付けたような理由で表現排除を正当化すれば「相反する立場の人達」や「公権力」に利用されるのは必然です。特に左派はこれを自覚するべきです。
一方で、はだしのゲンの排除と違って今回は内容そのものを批判している訳ではありません。授業では今後も取り上げられます。
岸田政権はこれまでの方針を転換して「次世代型の原発新設」に舵を切りました。原水爆実験や放射能の危険性を伝える記述に関して原発推進派の圧力を受けた可能性はあります。しかし、現時点で排除に至った経緯は不明で推測の域を出ません。今後の動向に要注目です。




