
■福島原発事故、東電の賠償確定 最高裁、避難集団訴訟で初
https://www.tokyo-np.co.jp/article/163632
東京新聞 TOKYO Web 2022年3月4日 17時25分(共同通信)
東京電力福島第1原発事故で避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟のうち福島、群馬、千葉の3件で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は東電の上告を退ける決定をした。裁判官4人全員一致の結論。2日付。二審判決のうち約3600人に総額約13億9千万円の支払いを命じた部分が確定した。全国で約30件起こされた同種の集団訴訟で東電の賠償責任が確定するのは初めて。
国や東京電力の賠償責任を認めたのは初!
2022年03月04日(金)。最高裁判所第2小法廷(菅野博之裁判長)は「福島第一原子力発電所」の事故で避難した福島県の住民らで国や東京電力に損害賠償を求めた集団訴訟の内、福島県、群馬県、千葉県の3件で東京電力の上告を退ける決定をしました。裁判官4人全員一致の結論です。
前述の3件は2013年に「東京電力は原発事故発生の場合は過失の有無に関らず賠償責任を負う」と定めた「原子力損害賠償法」に基いて提訴されました。尚、2011年に発生した福島第一原子力発電所の事故で避難生活を強いられた住民や各地に避難した人達によって起された集団訴訟は全国で約30件です。
争点は国の賠償基準である「中間指針」に基いて支払われた金額の妥当性です。各地裁での第一審判決は、生活拠点を離れざるを得なくなった事による「ふるさと喪失」の慰謝料などで、いずれも中間指針を超える賠償を命令しました。
東京高等裁判所および仙台高等裁判所で行われた3件の第二審判決も同様の賠償を命じる判決を言い渡しています。東京電力側は「中間指針で認めた以上の損害は発生していない」として高過ぎる賠償額を疑問視、上告しました。
今回の同第2小法廷の判断によって、国の基準を上回る賠償を命じた第二審の判決は確定、賠償額は計約3680人の原告に対して総額約13億9000万円です。全国各地で起された同種の訴訟で、国や東京電力の賠償責任を認めたのは初です。
■国の責任、夏までに統一判断へ 東電賠償初確定、計14億円―原発避難者3訴訟・最高裁
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022030400829&g=soc
時事ドットコム 2022年03月04日 16時26分
東京電力福島第1原発事故の避難者らが、国と東電に損害賠償を求めた3件の集団訴訟で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は4日までに、国の賠償責任について当事者双方の意見を聴く弁論期日を4月にそれぞれ指定した。二審は1件以外は国に賠償を命じている。判決は夏までに言い渡される見通しで、国の責任について統一判断を示すとみられる。
国の責任は判断割れる!
一方で「国の責任」について争点は「2002年に公表した政府機関の巨大津波を予測する『長期評価』の信頼性」「実際に津波を予見できたか否か?」「対策を講じれば事故を防げたか否か?」で判断は割れています。3件の第二審判決の内、2件で国の責任を認定、1件は否定しました。
同第2小法廷は国の責任について検討する為に、当事者双方の意見を聴く弁論期日を4月にそれぞれ指定、第二審判決での判断は割れていて今夏に統一判断を示す見通しです。
■「当たり前だがうれしい」東電賠償確定に原告ら―国責任「勝ち取る」・避難者訴訟
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022030401177&g=soc
時事ドットコム 2022年03月04日 20時31分
前橋訴訟の原告丹治杉江さん(65)は避難指示区域外から自主避難し、賠償額は約25万円にとどまった。「東電の責任が認められたのはうれしいが、自主避難者の賠償が極めて低い実態は悔しい」と複雑な心境を明かした。
「東電は救済にしっかり踏み出してほしい」。福島訴訟の原告団長中島孝さん(66)はこう求めた上で、「最高裁ではなんとしても勝って、国の姿勢を変えたい」と意気込んだ。
確定した二審はいずれも、東電に対し国の賠償基準「中間指針」を超える賠償を命じていた。福島訴訟の代理人馬奈木厳太郎弁護士は「中間指針の(対象となる)地域を拡大させ、水準を上積みさせた点で評価できる。原告にとどまらず被害者全体の救済への弾みとなる決定だ」と指摘。今後は中間指針の見直しも求めていくとした。
責任の所在を明確に!
賠償責任の確定を受けて「事故で大変な迷惑と心配をかけてお詫びする」「福島への責任を果たすべく誠実に対応する」とコメントを発表しました。
今回の同第2小法廷の判断は、全国の同種の訴訟や原発事故の対応に影響を与えるもので非常に重要な意味合い持ちます。原発の安定したエネルギー供給のおかげで日本は豊かな国になりました。しかし、原発推進は国策で東京電力は事実上の国有企業です。責任の所在を明確にする意味で司法の良識的な判断に期待します。




