
東京都議会議員選挙。都民ファーストの会は議席を大きく減らしたものの小池百合子知事のサプライズ応援などで終盤に追い上げ予想以上の健闘を見せました。自民党は都議会第1党に返り咲いたものの目標だった自公両党での過半数には届きませんでした。また、日本共産党の躍進や表現規制への影響などについて纏めました。衆議院解散総選挙の前哨戦と言われているだけに今回の結果は政治情勢を大きく左右しそうです。
■自公、過半数届かず 衆院選控え菅政権に打撃―自民第1党、都民ファと僅差―都議選
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021070500154&g=pol
時事ドットコム 2021年07月05日 09時28分
衆院選の前哨戦となる東京都議選(定数127)が4日、投開票された。前回大敗した自民党は都議会第1党に返り咲いたものの伸び悩み、公明党と合わせて56議席と過半数(64)に届かなかった。小池百合子知事が特別顧問を務め、現在最大勢力を有する地域政党「都民ファーストの会」は議席を減らし、自民と僅差で第2党となった。立憲民主党と共産党は現有議席を上回った。
■自民、衆院選へ危機感 コロナ・五輪対応に反発―菅首相「選挙の顔」不安も・都議選
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021070400448&g=pol
時事ドットコム 2021年07月05日 07時10分
菅義偉首相は4日、選挙プランナーの三浦博史氏と首相公邸で意見交換。席上、「結構、都民ファが取るみたいだね」と語ったという。選挙期間中、首相は告示日の出陣式を除いて演説のマイクを握らなかった。自民党は4月の衆参3選挙でも全敗しており、党内では「首相の下で衆院選を戦うのは不安だ」(岸田派中堅)と、「選挙の顔」としての首相に懸念を示す声も漏れた。
痛み分けで都政健全化!
2021年07月04日(日)。東京都議会議員選挙の投開票は終了して42の選挙区の127の議席は確定しました。各政党の獲得議席は次の通りです。選挙前は都議会第1党だった都民ファーストの会は14議席減らして31議席(選挙前46議席)に留まりました。小池百合子知事のサプライズ応援などで終盤に追い上げ予想以上の健闘を見せました。
自民党は33議席(同25議席)を獲得して都議会第1党に返り咲きました。今回は自民党と選挙協力を行った公明党は候補者全員当選で23議席(同23議席)を獲得。1993年(平成5年)の選挙以降8回連続での全員当選です。
自民党は都議会第1党になったものの2009年(平成21年)に旧民主党に惨敗した38議席を下回る数字で、目標だった自公両党での過半数には届きませんでした。
前回の都議会議員選挙で躍進した日本共産党は19議席(同18議席)を獲得。所謂「立憲野党」の中心になりました。立憲民主党は15議席(同8議席)を獲得。数字的には倍増に近いものの予想以上に伸びませんでした。
日本維新の会および東京・生活者ネットワークはいずれも1議席(同1議席)を獲得しました。れいわ新選組および嵐の党(旧N国党)はいずれも議席を獲得できませんでした。無所属は4議席(同5議席)を獲得。れいわ新選組は山本太郎氏を除いて知名度の低さは深刻で厳しい結果です。
過半数の64議席を獲得した政党はなく明確な勝者は存在しません。かつての都議会第1党だった都民ファーストの会の議席を自民党と立憲野党で分け合った形です。一強多弱ではなくなった事である意味健全な都政になりました。個人的には歓迎します。
投票率は過去2番目の低さに!
同日発表された確定投票率は「42.39%」で前回の51.28%に比べて8.89ポイント低下しました。1997年の40.80%に次いで「過去2番目」の低さでした。これまでは2013年の43.50%だったもののそれを下回っています。
一方で、期日前投票者数は「142万5192人」で過去最多を更新、新型コロナウイルスの影響もあって全有権者の2割近くは前日までに投票を終えています。
野党共闘は政策面で課題!
立憲民主党と日本共産党は1人区、2人区、3人区の一部で候補者調整を行った結果、一定の効果を上げました。衆議院解散総選挙の前哨戦と言われているだけに今回の結果は政治情勢に大きな影響を与えそうです。
しかし、政権交代には程遠く政策面で課題を残しています。左派/リベラルに受ける政策に特化した戦い方は限界です。自民党の足腰は確実に弱っているので、旧民主党の政治家は今の内にかつての左右中道混合の形に戻るべきです。
日本維新の会に要注意!
日本維新の会は着実に関東圏で勢力を伸ばしているので要注意です。都議会は直接的に「憲法改正」などに影響しないものの自民党の補完勢力は常に警戒しなければ危険です。
日本共産党の躍進は立憲主義崩壊の危機!
日本共産党はフェミニズムを汚染された結果、偏ったジェンダー平等や性道徳を押し付ける非常に危険な政党になってしまいました。女性に対するオンライン暴力の根絶(憲法14条違反)や性交同意年齢の引き上げ(刑法の整合性無視)など既に多くの前科を持っています。
また、不同意性交罪で「個人の内心」を取り締る事や立証責任を被告人に負わせるなど推定無罪の原則を完全に否定する「公約」を掲げました。かつての護憲政党は見る影もありません。
都議会で目立った動きはないものの「痴漢ゼロ」なる危険なスローガンを掲げています。当然、痴漢対策に反対ではありません。しかし、犯罪をゼロにするのは予防拘禁や推定有罪など所謂「共謀罪」を遥かに超えるものにせざるを得ないので要警戒です。
表現規制への影響は?
エンターテイメント表現の自由の会(AFEE)の「表現の自由を守るための約束」に賛同した候補者36名の内、当選者は約半数の16名でした。まずまずの結果です。
所謂「非実在青少年」で表現規制に関心を持った人はご存知のように東京都は流通の中心地で尚且つ都の条例は全国に影響します。イデオロギーに関係なく危険な政治家は存在するので、明確な勝者のいない玉石混交状態は好都合です。
一方で、規制派はここ数年で著しく先鋭化カルト化して「内心の自由」にまで踏み込んできました。SNSを駆使した世論誘導など攻め方は多角化しています。反対派はこの点で大きく水をあけられているので、このままでは法規制される前に「コンテンツ文化」は間違いなく衰退します。
非実在青少年や児童買春・児童ポルノ禁止法の改正(所持罪)に反対していた時は「基本的人権の侵害」や「警察権力(捜査権)の拡大」を危惧する声は多くありました。コンテンツ文化に偏り過ぎなリソースを早急に見直して、規制派のような「おためごかし」ではなく本当の意味で人権擁護に振り切らなければ遅かれ早かれ確実に負けます。





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