
文部科学省によれば、昨年1年間に自殺した子どもの数は小中学生と高校生を合せて「499人」でした。前年同期比で100人の増加を記録。統計を取り始めた1978年以降で過去最多に上ります。これを受けて、同省は有識者会議を開催、背景を分析した上で予防策などを盛り込んだ提言案を纏めました。所謂「ICT」の活用を喫緊の課題と指摘、学校現場に対策強化を周知します。
■児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議(令和3年度第2回)配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/164/siryo/1422639_00004.htm
文部科学省 令和3年6月25日(金曜日) 10時00分~12時00分
■子どもの自殺急増 コロナ下の家庭・学校の変化影響か
https://www.asahi.com/articles/ASP6T5VSZP6TUTIL028.html
朝日新聞デジタル 桑原紀彦 2021年6月25日 18時24分
児童生徒の自殺予防に関する文部科学省の有識者会議が25日開かれ、自殺した児童生徒が2020年に過去最多となった背景について、コロナ禍による家庭・学校の環境変化が影響した可能性がある、などとする報告書案を了承した。小中学生に1人1台配布される情報端末を、子どもの変化の早期発見に活用するよう提言した。
■「親のいらだちが子供に」「長期休校で目標失う」…児童生徒の自殺、コロナ禍で過去最多
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20210626-OYT1T50205/
読売新聞オンライン 2021/06/26 21:37
25日に示された提言案は、昨年の児童生徒の自殺の特徴について、「精神疾患の影響による自殺が増え、特に中学生以上の女子でこの傾向が顕著」と指摘。コロナ禍に伴う在宅勤務の拡大で家庭内が過密化し、親のいらだちの矛先が子供に向かいやすくなったこと、学校の長期休校や部活動の中止などで児童生徒の目標が失われたことなどを理由に挙げた。
対策として、ICT(情報通信技術)を活用した相談体制の構築や、自殺する恐れのある児童生徒の早期発見システムの導入などを提言。児童生徒の心身状態のデータを学校全体で共有することで、自殺の予兆を覚知できる可能性があるとした。
Twitterの反応!
センセーショナルで分かりやすい事故は世間の注目を集めがちですが、子供達が大人たちの都合でこれだけ命を絶っているということにもっと真剣に向き合う必要があると思います。 「自殺した子ども499人 過去最多に 去年 長期の一斉休校も背景に 」 https://t.co/7eMxk2JdQ5
— 池田 壮吉 (@levakichi) June 29, 2021
子どもの自殺者数が過去最高になってる中で、記事末尾にある相談先が電話だけしかない…
— 井上やすたか| #こどもLINEプロジェクト 開始! (@inoue_ystk) June 26, 2021
電話ももちろん大事だけど、悩みや不安を一緒に言葉にしていったりするにはLINEやSNSでの相談もあることがもっと知られてほしい…https://t.co/MeCf4NHTB8
今ある社会問題の中で最も重要なことだと思うのだが、あまり話題にならないのが悲しい。https://t.co/GQH3H4jwVf
— 安田祐輔 発達障害・うつ病・引きこもりを支援する経営者 (@yasuda_yusuke) June 27, 2021
家庭に居場所を感じられない、家庭が安心できる場所ではない子供を可視化するにはどうしたら良いのでしょうね…。
— わだたつこ (@tatsuko_w) June 26, 2021
実はこの記事にコメントを書いている今も、自宅の隣の民家から母親と思わしき女性の怒声が聞こえてき... #NewsPicks https://t.co/0jLRpGE2wp
コロナ禍が1年以上
— 山下章子 (@gambaranai_ok) June 25, 2021
小学校の頃、1年は人生そのものだった。夏休みは永遠に思えた。
大人の1年とは訳が違う。
何やってるんだろう。 https://t.co/TurmDDJIrU
背景に長期の一斉休校?
2021年06月25日(金)。文部科学省によれば、2020年の1年間に自殺した子どもの数は小中学生と高校生を合せて「499人」でした。前年同期比で100人の増加を記録。特に高校生女子は80人⇒140人に大きく増えました。統計を取り始めた1978年以降で過去最多です。
文部科学省は児童・生徒の自殺予防に関する有識者会議を開催、背景を分析した上で予防策などを盛り込んだ提言案を纏めました。特に「6月」「8月」「11月」の自殺社数は著しく増加、新型コロナウイルスの感染拡大による一斉休校の解除、夏休の短縮、文化祭や運動会などの行事を中止した時期に重なります。
在宅時間の長期化で、家庭に居場所を感じられない子どもは息苦しい思いをした可能性を指摘した他、学校での活動を通して目標や達成感を得る機会は失われました。また、感染防止の為の「ソーシャルディスタンス」によって友達同士で喋る機会は減った上に、行事の相次ぐ中止など環境変化で息抜きやストレス解消の機会は激減、教員の多忙化で悩みを相談する機会を失った事など背景は様々です。
ICTを活用した支援策は「喫緊の課題」!
提言案では喫緊の課題として、日本政府の「GIGAスクール構想」で1人1台配備されたタブレット端末などの「情報通信技術(ICT)」を活用、生活や学習のデータを見て子ども一人一人の日々の精神状況の変化に気付ける仕組み作りを要望しました。精神不調を読み取る専用アプリの活用などを想定して早期導入を目指します。
多くの自治体では既にSNSを活用して子ども達の不安や悩みを早期に把握、スクールカウンセラーらへの支援に繋げる手法を取り入れて効果を上げています。一方で、ICTについて「過度に依存する事は危険」と言及、スクールカウンセラーなど支援体制を確保した上での活用を推奨しています。
文部科学省は表現に修正を加えた上で正式な提言として教育委員会など学校現場に対策強化を周知します。また、ICTを活用した自殺対策の実証研究を進めます。更に「環境整備の為の費用」について支援を検討する方針です。
逃げ場を失った子ども達!
2021年5月末までの自殺者は既に192人に上っていて各月共に2020年を上回っています。学校は家庭内暴力や虐待に苦しむ子ども達の逃げ場として機能している側面もあって、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校で逃げ場を失い自殺に追い込まれてしまったケースは十分に考えられます
欧米諸国では避難所や受け入れ施設の整備を積極的に進めています。しかし、日本の児童福祉施設の数は少なく法的な整備もまだ中途半端です。また、貧困状態にある子ども達は学校給食によって不足しがちな栄養素を補っています。大人の貧困は子どもの貧困に直結するので根本的な貧困対策を同時に進めるべきです。





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