
後期高齢者の医療費に関して「年収200万円以上」の人などを対象に「窓口負担」を「原則2割」に引き上げる「医療制度改革関連法案」は衆議院本会議で審議入りしました。政府・与党はGW後に強行採決の構えです。一方で、コロナ禍の負担増に慎重な立憲民主党は対案を提出しています。
■負担2割法案が審議入り 後期高齢者の医療費引き上げ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021040800897&g=pol
時事ドットコム 2021年04月08日 15時40分
75歳以上の後期高齢者の医療費に関し、年収200万円以上の人などを対象に窓口負担を1割から2割に引き上げる医療制度改革関連法案が8日、衆院本会議で審議入りした。政府は今国会での成立を目指す。施行時期は2022年度後半とし、具体的には政令で定める。
■「命削ることになる」高齢者医療費2割負担、審議入り
https://digital.asahi.com/articles/ASP486K82P48UTFL008.html
朝日新聞デジタル 久永隆一、滝沢卓 2021年4月9日 6時00分
菅義偉首相は「若者と高齢者で支え合い、若い世代の負担上昇を抑えるという長年の課題に対応するために、窓口負担を2割にするものだ。多くの方に能力に応じた負担をしていただくことで、制度の持続可能性が高まる」などと説明した。
これに対し、立憲民主党は「新型コロナ禍の現状で窓口負担を引き上げるべきではない。(負担増を軽減する)配慮措置も不十分だ」(中島克仁氏)として、所得の多い高齢者の保険料を増やすことなどを盛り込んだ対案を提出している。共産党は反対の立場で、同党の宮本徹氏は「多くの高齢者はきりつめて暮らしている。病気が多く、治療が長引く人ほど負担が増える」と課題を指摘した。(久永隆一、滝沢卓)
Twitterの反応!
〈“75歳以上の医療費負担 2割” 改正案 衆議院で審議入り | NHKニュース〉これで医療費の給付費が1880億減ると政府は試算しますが、そのうち半分の900億は受診行動の変化=受診抑制によるもの。負担増で必要な医療を我慢させる発想がとんでもない。 https://t.co/SgbivAyuXx
— 宮本徹 (@miyamototooru) April 8, 2021
騙されてもついていきますどこまでも。老齢層自民支持。その結果→「75歳以上の後期高齢者医療費で、年収2百万円以上の人等に窓口負担を1割から2割に引き上げる医療制度改革法案が8日、衆院本会議審議入り。政府は今国会での成立を目指す。施行時期は2022年度後半・時事(選挙後だな!)」
— 孫崎 享 (@magosaki_ukeru) April 8, 2021
高齢になるほど医者にかかるのが多くなると言うのに【負担2割法案が審議入り=後期高齢者の医療費引き上げ】とはなんだ。こうした事の為に税金を使うべきだろう。特に自民党の政治家はなんだ自分等のやりたいことやっておいて国民には都合の悪い事を押し付けるだけではないか https://t.co/KBK1uGLMJ8
— 横田良篤 (@yokotayoshiatsu) April 8, 2021
「命削ることになる」 高齢者医療費2割負担、審議入り:朝日新聞デジタル https://t.co/mDmIyfCVF5 年収が税込みなら2割負担は重く老後の生活への不安が増すであろう。
— 田尻正敏(技術系コンサルタント (@mikemailer609) April 8, 2021
それより、年収500万円ぐらいの高齢者家庭への3割負担が相当だと思う。
“75歳以上の医療費負担 2割” 改正案 衆議院で審議入り | NHKニュース https://t.co/FIKpJc1A0r
— エリック C (@x__ok) April 8, 2021
アメリカのクソ高い軍備を買うのをやめて、法人税も正当に取って国民の命をちゃんと守る政治をしろ、馬鹿政府!
#医療費2倍化とめる国会 #国会中継
— くるみわり (@nutcracker_1892) April 8, 2021
どうして消費税10%も払っているのに
どうしてコロナ禍の最中なのに
高齢者の医療費窓口負担が2倍になるのか
なんのための税金で、なんのための政府なのか
わたしたちは国家に寄付しているわけじゃない
国民のために税金を使ってください
立憲民主党は対案提出!
2021年4月8日(木)。75歳以上の「後期高齢者」の医療費に関して「年収200万円以上」の人などを対象に「窓口負担」を引き上げる「医療制度改革関連法案」は衆議院本会議で審議入りしました。政府・与党は今国会での成立を目指します。施行時期は2022年度後半で成立後に政令で定める方針です。
単身世帯は年収200万円以上、複数人世帯は後期高齢者の年収合計320万円以上を条件に負担割合を現行の原則1割⇒原則2割に引き上げます。医療費の自己負担は上限を設けているので単純な負担倍増にはなりません。また、引き上げ直後の「3年間」は1カ月の自己負担の増加額を「最大3000円」に抑える軽減策を盛り込みます。
趣旨説明と質疑で菅義偉首相は「すべての世代が安心できる社会保障制度を構築する事は待ったなしの課題だ」「能力に応じた負担をして貰う事は必要だ」と訴えました。田村憲久厚労相は「団塊の世代が75歳以上になり始める中で現役世代の負担上昇を抑えながら全世代が安心できる社会保障制度を構築する」と述べました。
一方で、所得の高い人に限って追加の負担を求める対案の趣旨説明も行われました。立憲民主党の山内康一氏は「窓口負担割合の引き上げは受診抑制による症状の重症化を招きかねず後期高齢者の中でも高所得の方に保険料の支払いの際に応能負担をお願いする方がより公平な制度になる」と述べています。
現役世代の負担増は深刻?
現役世代は後期高齢者の医療費を賄う為に「健康保険料」の一部を拠出しています。所謂「団塊の世代」は2022年以降に後期高齢者の年齢に達します。後期高齢者人口は約2200万人に膨れ上って、医療や介護などの社会保障費の急増は不可避です。
国民の4人に1人は75歳以上になる計算です。日本は少子高齢化で多くの高齢者を数少ない現役世代で支えなければなりません。肉体的・時間的な制約に加えて「経済面」で大きな負担になります。こうした状況を踏まえて、政府・与党は昨年12月の「全世代型社会保障検討会議」で新たな負担増を求める事を決めています。
医療費の自己負担割合(原則)は年代によって違います。70歳未満の現役世代は3割、6歳未満および70歳~74歳は2割、75歳以上は原則1割で「現役並の所得」のある人は3割を負担します。自己負担分を除いた75歳以上の医療費は2021年度の予算ベースで「16.6兆円」に上ります。
委員会採決は見送りに!
2021年4月23日(金)。衆議院厚生労働委員会の理事会は「医療制度改革関連法案の同日採決を見送る事で合意」しました。自民党の菅原一秀前経済産業相は自身に関する一部報道を受けて与党筆頭理事の辞任を申し出、与党側はこれを受けて採決の提案を取り下げています。
菅原一秀前経済産業相は有権者に香典などを提供した疑いで「公職選挙法違反容疑」で告発されました。東京地検特捜部は不起訴処分(起訴猶予)にしたものの「東京第4検察審査会」は「起訴相当」と議決しました。立憲民主党など野党は審議不十分を理由に早期の採決に反対しているので渡りに船です。
2021年4月28日(水)。衆議院厚生労働委員会は同日の法案採決を見送りました。自公両党は菅政権発足後初の国政選挙で全敗した事で建て直しを図っています。一方で、自民党の幹部は「GW後は世間も忘れる」と述べました。審議再開は5月7日(金)の予定で強行採決の構えです。
高齢者の負担増「ツケ」は下の世代に!
再掲。高齢者の負担増は現役世代に、現役世代の負担増はその下の世代に重く圧し掛かります。行き着く先は「介護離職」「老後破産「下流老人」の増加で無間地獄です。日本の少子高齢化は深刻です。しかし、安易に高齢者VS現役世代で判断するのは危険です。




