
新潟県の「柏崎刈羽原子力発電所」でテロリストなどの不正侵入を防止する「検知設備」の故障を長期間放置していました。原子力規制委員会は核物質防護に関わる4段階の評価の内最悪の「最も深刻なレベル」に当る暫定評価を下しました。東京電力の杜撰な管理体制に地元住民は怒りの声を上げています。
■「柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護設備の機能の一部喪失」に関する原子力規制委員会の暫定評価結果の受領について
https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/1585125_8711.html
東京電力ホールディングス株式会社 2021年3月16日
本日(3月16日)の原子力規制委員会において、柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護設備の機能の一部喪失にかかる事案が報告され、「安全重要度評価*:赤」との暫定評価結果が了承されました。暫定評価結果が原子力規制委員会で了承されたことについて、大変重く受け止めております。
■原発再稼働「凍結」テロ対策不備で東電柏崎刈羽原発7号機の審査見合わせ
https://www.tokyo-np.co.jp/article/92131
東京新聞 TOKYO Web 2021年3月17日 20時45分
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策設備の不備が長期間続いていた問題を巡り、原子力規制委員会は17日の定例会で、同原発7号機の再稼働に必要となる主要な手続きを当面進めないことを決めた。東電が経営再建の切り札として位置付ける原発再稼働は完全に見通せなくなった。
■「知識がないのか、なめているのか」と規制委員長 東電柏崎刈羽原発でずさんテロ対策次々と発覚 早期再稼働は不可能に
https://www.tokyo-np.co.jp/article/91898
東京新聞 TOKYO Web 2021年3月16日 20時41分
原子力規制委員会と東京電力は16日、東電柏崎刈羽原発(新潟県)で2020年3月~21年2月、テロ対策用の侵入検知装置の故障が計16カ所であったと発表した。うち10カ所では東電が代わりに講じた措置も不十分だったため、侵入を検知できない状態が30日間を超えていた恐れがあった。装置の復旧に長期間かかっていたことも判明。東電のずさんな態勢が明らかになった。(小野沢健太、福岡範行)
Twitterの反応!
信じがたい、そして許しがたいニュースです。
— 枝野幸男 立憲民主党 (@edanoyukio0531) March 16, 2021
10年前の教訓と反省がまったく活かされていません。
事柄の重大性に鑑み、さきほど緊急の会見(ぶら下がり)を行いました。詳細は追ってご報告します。https://t.co/aNhWBqjm2b
《柏崎刈羽原発、侵入検知できず 規制委、最悪レベルと評価》
— 志位和夫 (@shiikazuo) March 17, 2021
あまりに酷い東電のずさんな態勢。たるみ切っている。再稼働などもとより論外だ。https://t.co/3PBYWWZ9ts
東電柏崎刈羽原発、テロ対策装置の不備が長期にわたり放置か。
— 山添 拓 (@pioneertaku84) March 16, 2021
原子力規制委員会は、「核物質防護に関わる4段階の評価のうち最も深刻なレベルに当たるとの暫定評価」という。IDカード不正入室も問題とされてきた。再稼働どころではない。原子力事業者としての資格が問われる。https://t.co/lPNSnFua4F
#柏崎刈羽原発 の再稼働が「凍結」されました。テロ対策設備の不備が原因です。社長が立地自治体で謝罪行脚したものの、県議会自民党会派からも「企業の体をなしていない」と厳しい声が上がりました。東電の信頼は、原発事故から10年で完全に失われました。https://t.co/bRd2MrMhBH
— 東京新聞社会部 (@tokyoshakaibu) March 27, 2021
テロ対策不備で東電柏崎刈羽7号機の審査見合わせ、再稼働は凍結。 https://t.co/60FPcKqdgy
— 海渡雄一 (@kidkaido) March 18, 2021
更田委員長は「分かっていて意図的にやらなかったのか。知識が足りなかったのか。技術的な能力の問題か。なめているのか」と。
凍結は当然だが、これまで見破れなかった規制委としての反省はないのか。
規制委は原子炉起動に関係する審査を見合わせることを決定。「東電に原発を運転する資格あり」と認めた規制委の判断そのものを見直すべきです。
— 小川慎一/Shinichi Ogawa (@ogawashinichi) March 18, 2021
原発再稼働「凍結」 テロ対策不備で東電柏崎刈羽原発7号機の審査見合わせ:東京新聞 TOKYO Web https://t.co/C7nUyjMjiH
原子力規制委員会は憤り露に?
2021年3月16日(火)。原子力規制委員会は今年1月に新潟県の「柏崎刈羽原子力発電所(7号機)」で作業員の不注意で誤って「侵入者を検知する設備」を損傷させた件について現地調査を行いました。非公開で開かれた会合で検査結果を報告、前述の検知設備と別に複数の検知設備で故障を確認、昨年3月以降長期に亘って正常に作動しない状態を放置していました。
侵入検知設備は合計16カ所で故障、内10カ所は「故障した装置を補う代替措置」も不十分で装置復旧に長期間を要しました。更に、東京電力の警備担当社員は代わりに講じた措置の実効性の無さを認識していたのに改善していませんでした。故障していた期間は2020年3月~2021年2月の約1年間です。
原子力規制委員会は「組織的な管理機能が低下しており防護措置の有効性を長期に亘って適切に把握しておらず核物質防護上重大な事態になり得る状況にあった」と述べました。同委員会は一連の騒動をセキュリティ上「最も深刻なレベル」と暫定的に評価しました。これは核物質防護に関わる「4段階」で最悪の評価です。
柏崎刈羽原子力発電所「7号機」の再稼動凍結!
2021年3月17日(水)。原子力規制委員会は柏崎刈羽原子力発電所について新規制基準に適合していた「7号機」の「原子炉起動に関わる手続」を当面見合せる事を発表しました。事実上の凍結です。一方で、新規制基準に適合した6号機を含めた施設の事故対策に繋がる審査や福島第一原子力発電所の事故収束作業などに関する手続は進める方針です。
更田豊志委員長は同日の参院予算委員会で原発の再稼働に必要な管理手順を纏めた保安規定について「変更も視野に入れて検査を進めたい」と同規定に対する審査をやり直す可能性に言及しました。東京電力の小早川智明社長は「広く社会の皆様にご心配をおかけしてお詫び申し上げる」「私としても痛恨の極み」と述べています。
原発の「安全神話」は完全崩壊!
原発の安全性を巡っては、第1次安倍政権において安倍晋三氏は危険性を指摘した野党の声を無視して長年放置していました。結果的にチェルノブイリに匹敵する「福島第一原子力発電所の事故」を引き起こしました。また、戦後日本の原発推進政策の背後に絡んでいた「グローバル資本勢力」の存在を報じたデイリー新潮の記事は記憶に新しい所です。
杜撰な管理体制を厳しく批判した原子力規制委員会の反応は事態の深刻さを物語っています。テロ対策の根幹部分で故障状態を放置していた事は日本の安全政策に係る最重要案件です。東京電力の信頼は完全に失われました。地元住民は怒りの声を上げています。エネルギー政策を見直す時期に来ているのは間違いありません。





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