
合流新党の代表選挙について立憲民主党の枝野幸男代表は国民民主党の泉健太政務調査会長を破って代表に選出されました。政党名は「立憲民主党」に決定。消費税・所得税の時限的減免など「反新自由主義的な政策」を掲げた点は高評価です。安倍政権の路線を継承した菅義偉官房長官に対して明確に対決姿勢を打ち出しました。一方で、まったく代わり映えしない代表と政党名に新鮮味なし話題性なしで波乱の再スタートです。
■合流新党、代表に枝野氏を選出 党名は「立憲民主党」
https://www.asahi.com/articles/ASN9B3J54N9BUTFK00B.html
朝日新聞デジタル 山下龍一 2020年9月10日 22時36分
立憲民主党と国民民主党などでつくる合流新党の代表選が10日に行われ、立憲の枝野幸男代表(56)が国民の泉健太政調会長(46)を破り、代表に選出された。任期は2022年9月まで。党名は「立憲民主党」に決まった。旧民進党が分裂して以来、3年ぶりに衆参149人が結集し、政権交代も視野に入れる野党第1党が誕生した。15日に結党大会を開き、次の衆院解散・総選挙への準備を加速させる。
■与党冷ややか「寄せ集め」野党は選挙協力に期待 合流新党代表に枝野氏
https://mainichi.jp/articles/20200910/k00/00m/010/268000c
毎日新聞 2020年9月10日 20時38分(最終更新9月10日22時29分)
枝野氏は、自民総裁選で優勢な菅義偉官房長官の政策「自助、共助、公助」を「政治家が自助と言っては責任放棄だ」と批判するなど、早くも菅氏との対立軸を強調し始めている。これに対し、菅氏は10日の記者会見で、枝野氏の選出など合流新党に関する質問を3回受けたが、いずれも「政府としてはコメントを控える」と繰り返した。
立憲民主 枝野新代表に聞く全文「自助でなく公助」(2020年9月10日)!
Twitterの反応!
合流新党の新代表に枝野幸男が選出されました。党名は立憲民主党に決まりました。
— 枝野幸男 りっけん 立憲民主党 (@edanoyukio0531) September 10, 2020
国民生活の現場にこそ、足場があります。皆さんと力を合わせて、暮らしの声を届けていく戦いをここから進めていきたいと思っています。#自己責任から支え合いへ https://t.co/CXnLbhX8xv pic.twitter.com/7zekDFNN9D
新しい党の名前が「立憲民主党」と決まり、代表に選出いただきました。直後に撮ったコメントです🎙#えだのボイス
— 枝野幸男 りっけん 立憲民主党 (@edanoyukio0531) September 10, 2020
強い緊張と重い責任を痛感しています。自己責任や自助といった言葉が飛び交う社会ではなく、困ったときに寄り添い、支えあい、分かち合う社会をつくっていきます。 pic.twitter.com/edbX28uyYw
新しい野党第一党の代表が枝野幸男さんで決まりました。党名も投票の結果、立憲民主党となりました。代表選に立候補した泉さんらと手を携えて、政権を担うことができる、と皆様に思っていただけるような政党となるべく、精進して参ります。 pic.twitter.com/cfvna84WMw
— 長妻昭りっけん立憲民主党 (@nagatsumaakira) September 10, 2020
新党代表・党名選挙の結果
— 衆議院議員 泉健太🌏立憲民主党 (@office50824963) September 10, 2020
「泉」42票「枝野」107票
「立憲民主党」94票「民主党」54票
代表選で負けたことは悔しいですが、149名の野党第一党として「立憲民主党」は、枝野代表とともに一丸となって出発します。 pic.twitter.com/vswRTo6rIQ
新しい合流新党の代表に枝野幸男さんが選出され、党名も立憲民主党に決まりました。
— 原口 一博 (@kharaguchi) September 10, 2020
新しい立憲民主党で枝野幸男さんを支えて明るく温かい社会を築いて参ります。新しい立憲民主党は、人権の政党です。人権と自由を守るために力の限り頑張ります。どうぞご支援よろしくお願い申し上げます。 https://t.co/x8S3FJIw23
これまで政権の受け皿となり得る大きな塊を作るべく全力で活動して参りました。その意味で今回の新党結成は大きな前進です。権力の私物化しか頭にない自民党政権では国民の命とくらしを守ることはできません。枝野代表の下、一日も早い政権交代実現のため引き続き全力で取り組んで参ります。小沢 一郎
— 小沢一郎(事務所) (@ozawa_jimusho) September 10, 2020
合流新党の代表選が行われているようですね。一番合流推進の代表が合流しないのも不思議ですが、なぜ開かれた代表選にしなかったのですか。それでは自民党の批判はできませんね。お二人とも消費税を0にすると述べていますね。民主党時代に公約違反で消費税増税して党を分裂させた反省はありますか。
— 鳩山友紀夫(由紀夫)Yukio Hatoyama (@hatoyamayukio) September 10, 2020
9月15日(火)に都内で結党大会!
2020年9月10日(木)。立憲民主党と国民民主党などで作る「合流新党」の代表選挙について、立憲の枝野幸男氏(代表)は国民の泉健太氏(政調会長)を破って新代表に選出されました。政党名は引き続き「立憲民主党」に決まった模様。集まった議員は衆参合せて149人で名実共に野党第一党です。
枝野幸男氏は「命と暮らしを守る、支え合う社会、信頼される、機能する政府を作る」「その先頭に立ち日本の政治を変えていく決意を約束する」と訴えました。泉健太氏は「民主的で風通しのよい党を目指す」「トップダウンではなく熟議のプロセスから答えを出すような党にしたい」と訴えています。
枝野幸男氏は合流新党全体の6割を占める旧立憲民主党の議員の支持を固めました。これに加えて、国民民主党で合流協議に尽力した小沢一郎氏や同氏に近い議員は枝野幸男氏の支持に回りました。更に「無所属」の議員グループの野田佳彦前首相や岡田克也氏などの支持を受けています。
敗れた泉健太氏は陣営の会合で「力強い応援を頂いたのに票を伸ばすことができなかったのは私の力不足だ」「心からお詫びする」と述べました。その上で「代表選挙を通じてそれぞれの党の良さを提示できたのは大きな成果で新党でも間違いなく生かされる」「国民の負託に応えるという思いで結集を決めた私達には大きな使命があり一丸となって国民の期待に応える」と呼び掛けています。
尚、枝野幸男氏の得票数は「107票」で、泉健太氏得票数は「42票」でした。また、合流新党の政党名を決める投票について「立憲民主党」は「94票」で「民主党」は「54票」です。新代表の任期は再来年2022年9月末までの2年間です。
国民民主党の保有する政治資金は?
2020年9月8日(火)。国民民主党は同日の総務会で合流新党に加わらない玉木雄一郎代表の求めた分党を了承しました。残存の政治資金「約40億円」及び2020年の政党交付金の未交付分は同氏を中心に結成する新党参加組とその他の議員の人数に応じて比例配分します。
旧国民民主党の所属議員は62人。玉木雄一郎氏らの新党に参加するのはこのうち14人で引き続き「国民民主党」を名乗る方針です。総務会ではこの名称使用も認めました。14人分を除いた資金は分党に伴い合流組で一時的に結成した「民主党」の保有です。残る48人の内8人は合流新党に参加しない考えで、資金配分で一定の配慮をします。
方向性は高評価!
枝野幸男氏の掲げた公約は以下の通りです。自民党の総裁選挙で「自助」を強調した菅義偉官房長官に対して明確に対決姿勢を打ち出しました。国民益の観点で見れば高評価です。
(1)自己責任から支えあう社会に
(2)消費税・所得税の時限的減免
(3)定額給付金の制度化
(4)PCR検査等の拡大
(5)ジェンダー平等(選択的夫婦別姓など)
また、枝野幸男氏は代表選挙で「民進党までの綱領は自己責任や自助を強調する新自由主義的な側面が残念ながら残っていた」と述べた上で合流新党の綱領に「反新自由主義」を明確にしました。これは非常に重要な発言です。
バブル崩壊後に強まった新自由主義的な傾向は過度な自己責任論や目先の効率性に拘泥した市場原理主義を齎しました。小泉政権以降の自民党は急速に新自由主義を進めています。結果的に公的医療サービスは縮小して「新型コロナウイルス」の対策で後手に回った要因のひとつになっています。
更に、民主党政権時~民進党までの認識を改めて減税に踏み込みました。日本経済の立て直し政策の第一歩です。此方も高く評価できます。
ジェンダー平等に一抹の不安!
「枝野さん!もっと女性候補者をふやして!」女性団体からの申し入れでした。クォータ制を推進する会やフェミニスト議員連盟、大学生の皆さんから、生理休暇や男性の育休取得、パリテやセクハラ防止などジェンダー平等社会を実現するためのさまざまな意見をいただき、議論をしました。 pic.twitter.com/bV3ITG69l3
— 枝野幸男 りっけん 立憲民主党 (@edanoyukio0531) September 6, 2020
枝野幸男氏は自身のTwitterで「ジェンダー平等社会」を実現する為に女性団体やフェミニスト議員連盟の陳情を受けた事を報告しました。立憲民主党は「#KuToo」で名を揚げた石川優実に度々接触しています。これは要警戒です。
個人的に「選択的夫婦別姓」などについては賛成です。しかし、ジェンダー平等を巡っては「日本共産党」でさえ偏向的なフェミニズムに食い尽くされて「日本国憲法」の理念を無視した暴論を唱えています。
ハラスメントの厳罰化や不同意性交罪などはジェンダー平等を背景にした行き過ぎた人権擁護の典型です。近年横行している「お気持ちテロ」も含めて非常に危機な流れです。これらは自民党の改憲草案(2012年版)や所謂「共謀罪」などの悪法とほぼ同じ発想です。表現規制に反対の人や集団的人権論を軸にした人権擁護に疑問を感じる人は繰り返し意見すべきです。
前途多難の船出!
単純に与野党を比較して現時点でまともな事を言ってるのは「立憲民主党」です。しかし、同党を選択肢として認識できるのは現政府・与党の政策や言動に疑問を持っていて政治リテラシーの高い人に限られます。まったく代わり映えしない代表と政党名に新鮮味なし話題性なしで波乱の再スタートです。
最大の問題は党人事です。特に「幹事長」は党務を取り仕切る事に加えて、近い内に行われる解散総選挙を取り仕切る立場です。旧国民民主党と合流した以上は彼等の意見を無視できません。一説には福山哲郎氏の留任も囁かれているもののこれでは旧立憲民主党とまったく変りません。党人事でしくじればまた分裂です。
野党勢力一致で「消費税減税」を打ち出せば望みはあります。只、減税路線は意外と支持され難く決定打を欠いています。同時進行の自民党の総裁選挙に比べて印象は薄く「変わった事を知らない有権者」は多い筈です。参加人数は辛うじて「3桁」の大台に乗ったものの前途多難です。





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