
鳥取県は「青少年健全育成条例」の一部改正案を発表しました。所謂「ECサイト」でのボーガンなどの有害玩具や有害図書の購入を規制する内容です。事業者などに最大30万円の罰金を科す罰則規定を設けました。全国的に影響を及ぼすトンデモ条例にTwitter上では物議を醸しています。
■鳥取県,青少年に対するCERO Zのゲームを含む有害図書のネット購入を防止する青少年健全育成条例の一部改正案を発表
https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20200813105/
4Gamer.net 編集部:松本隆一 2020/08/13 19:29
鳥取県が青少年健全育成条例の一部改正案を発表した。これは,2020年8月5日に行われた平井伸治鳥取県知事に対する定例記者会見の席上,明らかになったもので,青少年が通販サイトで有害図書やボウガンなどの有害玩具,刃物類を気軽に購入するのを防ぐことを目的としているという。
Twitterの反応!
鳥取県青少年条例の改正案。青少年がAmazonなどの通販サイトから県指定の有害図書・有害がん具刃物類を入手することのないよう、ネットを通じた有害図書などの販売等は条例の禁止対象であることを明確化。それに伴い、罰金30万円の適用も明確化。9月議会に提案予定。 https://t.co/ISpqS4t77W pic.twitter.com/O07HqEU3Oy
— HT_570 (@HT_570) August 12, 2020
うわっ、でかいの来た…。通販サイトが鳥取県民にだけ対応する手間を嫌がり全国に派生する可能性も。まだ全容は不明ですが罰則付きなので香川県のゲーム条例より影響は大きい。そしてボーガンからの有害図書の唐突感。 https://t.co/4Ew5bVY13k
— 松本ときひろ 弁護士 品川区議会議員 (@matsumoto_toki) August 12, 2020
やっぱり有害図書なり不健全図書なり、目的に対して効果が不明なものを野放しにしておくこと自体が問題かと。そこからひっくり返していかないとこういうことが起きてしまう。
— 松本ときひろ 弁護士 品川区議会議員 (@matsumoto_toki) August 12, 2020
鳥取県の条例はあまりにも酷すぎる。
— わたる (@n1U5E6Gw119ZjGI) August 13, 2020
例えばZ指定のゲームをDL販売すれば刑事罰が課せられるようだが、SIEに刑事罰を課すのか?Steamに刑事罰を課すのか?マイクロソフトに刑事罰を課すのか?Amazonに刑事罰を課すのか?メルカリでの販売も刑事罰を課すのか?
知事にはしっかりと考えていただきたい。
これアマゾン程大手じゃなくても鳥取県位の人口なら全国チェーンの場合は配達先が鳥取県なら注文を受けないって対応が一番楽だよなあ。https://t.co/3qNP8Qnbhd
— Nick (@takemotonoriaki) August 12, 2020
宝塚ボーガン殺傷事件に便乗?
2020年8月5日(水)。鳥取県は「青少年健全育成条例」の一部改正案を発表しました。これは平井伸治知事に対する定例記者会見の席上で明かになったものです。同県は現在内容を吟味している段階で9月11日(水)に召集の定例議会に提出する予定です。
兵庫県宝塚市で発生したボーガンによる殺傷事件を受けて「インターネット販売」を通じてボーガンなどの「有害玩具」や「刃物類」を購入する事を制限します。また、同じくインターネット販売を通じて「有害図書」を購入する事を制限します。
県外からのインターネット販売に対する罰則適用を明確化(ボーガン等)!
具体的な内容は次の通りです。県内の青少年に対して「有害玩具」「刃物類」「有害図書」を販売した県外の事業者に対して罰則規定を設けます。現在の案では「30万円程度」の罰則を検討しています。合せて「自撮り写真」などの「児童ポルノ全般」を禁止事項に盛り込む方向で調整中しています。
鳥取県青少年健全育成条例の第16条では「有害図書類又は有害玩具、刃物類を青少年に販売し、頒布し、貸し付け、交換により入手させてはならない」と定めています。所謂「ECサイト」での販売は規制対象ではあったものの条例文にインターネット上の販売ルートについて特別の記載はありません。
今回の条例改正について同県は「以前からある販売規制にECサイトも含まれると明文化するもの」と説明しました。改正に伴ってECサイトを運営する事業者に対して対応を求める考えは「今の所ない」とコメントしています。
ECサイトは被害甚大?
鳥取県は有害図書を指定する団体のひとつに「コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)」を含めています。仮に今回の条例改正案が通れば同県の青少年に対して「Z区分(18歳以上対象)」のゲームを販売した場合は罰則を科せられます。また、ヤフオクやメルカリなど「個人間の売買」にまで適用されるのであれば影響は甚大です。
自画撮りによる児童ポルノの要求行為の禁止!
此方は一定の評価はできます。只、日本の児童ポルノの定義は元々広範囲です。既に「所持罪」も成立しているので法律の範囲を逸脱しないようにしっかり注視しなければなりません。
トンデモ条例に歯止めを!
鳥取県は2005年に「人権侵害救済推進及び手続に関する条例」で批判を浴びました。かつての「ダガーナイフ規制」と同様に「道具」は問題ではありません。物に責任転嫁するのは事件の本質を見え難くします。政治家や役人の頭の中はまったく進歩していません。
また、これは香川県のゲーム規制条例と同じ系譜です。かつて石原慎太郎知事の下であった東京都青少年健全育成条例は行き過ぎた内容に批判殺到して見直しになっています。こうした動きは全国に波及するので早い内に歯止めを掛けなければ危険です。罰則規定を設ければ影響を受ける事業者も多く適用範囲次第では非常に危険です。
当ブログで度々指摘しているように地方議会は違憲性の高い条例も素通りする傾向にあります。現時点で正式に決定した訳ではないものの違憲性&危険度でトップクラスのトンデモ条例です。不健全図書(有害図書)の範囲や内容は不明確で言論規制や思想統制に繋がりかねません。表現規制に関心のある人は必ず意見をお願いします。




