
新型コロナウイルスの感染拡大による「病床逼迫」について、ロイターは最大の要因は安倍政権の「病床削減計画」にある事を指摘しました。安倍政権は行政改革の一貫で余剰病床の削減計画の実施を表明しています。2019年10月に全国の自治体を対象に見直し計画を提出するように要請しました。日本は「未曾有の感染症+行き過ぎた無駄削減」で医療崩壊寸前の危機的状況にあります。
■焦点:コロナ患者急増、病床削減計画見直しの可能性 政策の矛盾露わに
https://jp.reuters.com/article/japan-coronavirus-hospital-idJPKCN21Y0FZ
ロイター ワールド 中川泉 宮崎亜巳 2020年4月16日 14:15
〔東京 16日 ロイター] - 新型コロナウィルス感染者の病床不足が問題となっている中で、厚生労働省がこれまで5年にわたって進めてきた全国の病床削減計画を見直す可能性を視野に入れていることがわかった。政府は昨年秋に、13万床の病床削減を目安として掲げ、病院名のリストも作成。その対象となっていた公立病院はコロナ患者の受け入れを求められており、政策の矛盾を指摘する声が出ている。
■「骨太」社会保障削減を加速
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-06-22/2019062202_02_1.html
新聞赤旗 2019年6月22日(土)
安倍政権が21日に閣議決定した「骨太の方針2019」(経済財政運営と改革の基本方針)は、社会保障費抑制のさらなる加速化を打ち出しました。「全世代型社会保障」をといいますが、実態は社会保障の切り捨てと自己責任の押し付けです。
Twitterの反応!
感染病床は大幅に削減され「1998年9060床→現在1869床になった」ってつまり20年前は今の5倍もあったわけです!
— 藤井聡 (@SF_SatoshiFujii) April 16, 2020
それだけあれば医療崩壊リスクはもっと低く緊急事態宣言もまだ必要なかった筈。
小泉・竹中からの改革/緊縮路線は人を殺める危険なものなのです!https://t.co/zwvJq1lv1T
医労連によると1998年に9060床あった感染病床は国の方針で1869床まで削減。その結果医療崩壊の危機に。
— 福山和人 (@kaz_fukuyama) April 17, 2020
「感染症病床は国がきちんと整備しておくべきだと我々は言い続けてきた」「国は医療費抑制、効率性ばかりを追求している」(森田委員長)
まさしく人災だろう https://t.co/1e5t0jwE9X
#新型コロナを乗り越えよう#赤旗日曜版
— 小村勝洋 (@kokatu1) April 17, 2020
緊急事態宣言が全国に適用され、感染爆発と医療崩壊の危険が現実化している。
19日付「赤旗日曜版」は、深刻な事態のイタリア、スペインをフォーカスし、政治が病床削減を作った事を報道。
日本も自民・公明が病院リストラを進めている。
是非一度お試しを。 pic.twitter.com/EhK0fn2fUB
ベッド減らし在宅を余儀なくしておいて、孤独死するとそれはお前の選択の結果だと言われる、そういう社会にしようとしてるということ。(15.9.15参院厚労委・小池晃議員) pic.twitter.com/HJXK6c5sHn
— emil (@emil418) April 25, 2020
このように、なんだかんだ言いつつ結局政府は病床を減らし続け、そして今に至る。
— emil (@emil418) April 20, 2020
(小池晃参院議員質問より) pic.twitter.com/MWf5AuHeyI
政府のやり方はいつも同じ。数値は目標にすぎないので各自治体の判断だといいながら、実際は数値通りに実施させる。現在進行中の公的病院統廃合も同じ図式。
— emil (@emil418) April 20, 2020
13万病床削減は未だに撤回せず?
新型コロナウイルスの感染拡大で、東京都を筆頭に各都道府県の「医療機関」は崩壊寸前の危機的な状況にあります。ロイター通信は「医療崩壊」の最大の要因は国の「病床削減計画」である事を指摘しました。安倍政権は「行政改革」の一貫でこうした動きを更に加速させています。
2019年10月28日(月)。加藤勝信厚生労働相は「経済財政諮問会議」で「来年9月までにまず公的・公立病院の見直しを出して頂く」と述べて全国の自治体を対象に「余剰病床の削減計画」の提出を要請しました。同会議の民間議員は「官民合わせて過剰となる『約13万床』の病床の削減が必要だ」と提言を行っています。
安倍政権の地域医療構想!
厚生労働省は同年9月に「公立病院」及び「日本赤十字社」などで運営する「公的病院」の4分の1を上回る「424」の病院について再編・統合の必要性を示した上で個別の病院名を公表しました。東京都については「国家公務員共済連九段坂」「東京都台東区立台東」「東京都済生会中央」「東京都済生会向島」など各病院を対象に挙げています。
名指しされた病院のある地域では「地域医療」を支えてきた病院の閉鎖や再編に対して住民による反対運動も起こりました。病床削減は2014年に始まった安倍政権の「地域医療構想」に端を発します。これは2025年までに必要な病床数を4つの医療機能ごとに推計して病床の機能分化と連携を進めた上で「効率的な医療提供体制」を実現する取り組みです。
厚生労働省「見直し」を示唆?
これらは同年6月に閣議決定された経済財政の基本方針である「骨太方針」に「地域医療構想」に沿った「医療提供体制の効率化」と題して盛り込まれました。しかし、具体的な計画を進める直前に新型コロナウイルスの発生で病床を巡る事態は急変します。
厚生労働省は3月4日(水)付の「医政局長通知」で3月末までだった余剰病床の削減計画の提出期限について「延期」を認めました。地域医療構想における具体的対応方針の再検証等の期限に関しては「改めて整理」と見直し可能性を示唆しています。
感染病床は9060床⇒1869床に!
1998年は9060床あった「感染病床」はこの20年間で「1869床」まで減っています。新型コロナウイルスの感染者は「感染症病床」や「結核病床」に留まらず「一般病床」を埋め尽くしました。対応可能な病床の稼働率は4月14日(火)現在で「107%」まで上昇しています。
新自由主義は命の選別!
新型コロナウイルスの発生で「病床削減計画」は一時的にストップしました。しかし、地域医療構想そのものは撤回されていません。日本は「政府方針」として病床削減を進めています。反対の声を上げなければ終息した後で再開されるのはほぼ確実です。本来「感染病床」のような重要設備は一定数以上を国の方針で保持するべきなのです。
小泉政権は民営化の名の下に行政改革を推進、頭角を現した竹中平蔵、橋下徹(府知事)&日本(大阪)維新の会の台頭、第2次安倍政権の発足、今回の件は「新自由主義」による「医療費削減路線」の「弊害」を顕著に表しています。国民全体で危機感を持って不必要な無駄削減にストップを掛けなければなりません。新自由主義は命の選別です。




