
2019年7月24日(水)。所謂「ハンセン病家族訴訟原告団」と面会した安倍晋三は「日本政府」として謝罪を行いました。安倍晋三は頭を下げた上で「ハンセン病に対する極めて厳しい差別と偏見は本日ここにいらっしゃる皆様に対しても向けられてきました」「これは否定し難い厳然たる事実であります」「その結果本当に長い間皆様にとって大切な人生において大変な苦痛と苦難を強いる事となってしまいました」「内閣総理大臣として政府を代表して心から深くお詫び申し上げます」と述べて「ハンセン病」への差別を広げてしまったこれまでの政府方針を謝罪しています。
■安倍首相「深く深くお詫び」ハンセン病患者家族と面会
https://www.asahi.com/articles/ASM7S2V7VM7SUTIL002.html
朝日新聞デジタル 2019年7月24日 12時18分
安倍晋三首相は24日午前、首相官邸でハンセン病家族訴訟の原告らと初めて面会し、「政府を代表して心から深くおわび申し上げます」と謝罪した。国の責任を認めた熊本地裁判決の受け入れを表明した12日の首相談話の文言を踏まえ、あいさつの最後にも「深く深くおわび申し上げます」と再度頭を下げた。
■ハンセン病家族訴訟原告団との面会
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201907/24menkai.html
首相官邸ホームページ 総理の一日 ニュース 令和元年7月24日
令和元年7月24日、安倍総理は、総理大臣官邸でハンセン病家族訴訟原告団と面会しました。総理は、冒頭の挨拶で、次のように述べました。
「本日は、こうしてお話をさせていただくため、遠路わざわざお越しいただきまして、誠にありがとうございました。ハンセン病に対する極めて厳しい差別と偏見は、本日ここにいらっしゃる皆様に対しても向けられてきました。これは、否定し難い厳然たる事実であります。その結果、本当に長い間皆様にとって大切な人生において、大変な苦痛と苦難を強いることとなってしまいました。内閣総理大臣として、政府を代表して心から深くお詫び申し上げます。
18年前の熊本地裁判決の際は、私は官房副長官としてこの問題に関わりました。今回は内閣総理大臣として、皆様が経験された筆舌に尽くし難い御労苦を、これ以上長引かせるわけにはいかない、きちんと責任を果たさなければならないと考えました。先般、判決受入れを決定いたしましたが、それにとどまらず、今回訴訟に参加されなかった方々を含め、新たに補償するための立法措置を講ずることといたします。さらに、様々な問題の解決に向けて、協議の場を速やかに設け、皆様と一緒に差別偏見の根絶に向け、政府一丸となって全力を尽くしていくことをお約束いたします。
今回はその第一歩として、皆様から今までの御経験、思いをじっくりと伺わせていただきたいと思っております。改めて、皆様が強いられた苦難と苦痛に対しまして、深く深くお詫び申し上げます。」
Twitterの反応!
控訴断念自体は英断ではあるが、無駄に言い訳がましく、見苦しいこと。本当に安倍首相は横綱相撲が出来ない人だ。
— 山口貴士 aka無駄に感じが悪いヤマベン (@otakulawyer) July 12, 2019
政府声明も閣議決定 ハンセン病判決に「法律上の問題」
https://t.co/9AcVir7Hoo
>本判決には(略)法律上の問題点があることを当事者である政府の立場として明らかにするもの https://t.co/72qzE4Oze9
だったら控訴しろ、としか言いようがない。政府が敗訴した判決について問題があると認識しながら控訴しないのは、国民に対する背信行為ではないのか。 / 1件のコメント https://t.co/XBKzST7IaF “政府声明も閣議決定 ハンセン病判決に「法律上の問題」:朝日新聞デジタル” https://t.co/MudO7wVOAk
- 渡辺輝人 (@abeteru1Q78)2019/7/12
要するに、判決は間違ってる、ハンセン病家族に損害賠償は認められない
- 弁護士 小口 幸人 (@guchilaw)2019/7/12
だけど、選挙のために控訴しませんでしたと。
こんなみっともない声明初めて見た。
政府声明も閣議決定 ハンセン病判決に「法律上の問題」:朝日新聞デジタル https://t.co/MNdfocgvON
>ハンセン病家族に損害賠償は認められない
- happyukiuki (@appyukiuki1)2019/7/12
なぜ首相談話を無視するのですか?↓
“確定判決に基づく賠償を速やかに履行するとともに、訴訟への参加・不参加を問わず、家族を対象とした新たな補償の措置を講ずることとし、このための検討を早急に開始します。”https://t.co/ZHnfLO9hNg
「行政庁に政策的裁量が認められていますが、それを極端に狭く捉えており、適切な行政の執行に支障を来すことになります。また、人権啓発及び教育については、公益上の見地に立って行われるものであり、個々人との関係で国家賠償法の法的義務を負うものではありません。」
- 弁護士 小口 幸人 (@guchilaw)2019/7/12
安倍政権の「閣議決定」による法治国家破壊!
日本政府は「ハンセン病患者を救済する為の立法措置」を早期に検討する方針です。安倍晋三は「今回訴訟に参加されなかった方々を含めて新たに補償する為の立法措置を講ずる事といたします」「更に様々な問題の解決に向けて協議の場を速やかに設けて皆様と一緒に差別偏見の根絶に向けて政府一丸となって全力を尽くしていく事をお約束いたします」とコメントしています。
全国各地のハンセン病訴訟は相次いで国側の敗訴。安倍政権はこの問題を長引かせる事は得策ではないと判断した模様。今回の謝罪に繋がったと報じられています。それだけに前述の救済措置の「中身」に注目が集まっています。将来的に「原発事故」などで同様の流れになる事は予想できます。
本件の発端になったのは「熊本地裁」の判決で時効の起算点や国会議員の着任時期などの点で「法律上の問題点がある」と指摘した上で「国家賠償法」の改善を促しました。日本政府は控訴を断念。この判決を受け入れる事を表明した模様。日本会議系の衛藤晟一首相補佐官の提言で安倍晋三は談話発表。一連の流れになります。
2019年7月12日(金)。これに先立って日本政府は「政府声明」及び「安倍晋三の談話」を閣議決定しました。安倍晋三は談話の中で「事実を深刻に受け止め、家族が強いられてきた苦痛と苦難に対して政府として改めて深く反省して心からお詫び申し上げる」とコメントしました。今後は関係省庁で連携・協力して「人権啓発」及び「人権教育」などの普及啓発活動の強化に取り組むとしています。
■政府声明も閣議決定 ハンセン病判決に「法律上の問題」
https://www.asahi.com/articles/ASM7D3JM2M7DULFA006.html
朝日新聞デジタル 2019年7月12日 12時15分
政府声明
政府は、令和元年6月28日の熊本地方裁判所におけるハンセン病家族国家賠償請求訴訟判決(以下「本判決」という。)に対しては、控訴しないという異例の判断をしましたが、この際、本判決には、次のような国家賠償法、民法の解釈の根幹に関わる法律上の問題点があることを当事者である政府の立場として明らかにするものです。
時期的に参議院選挙対策との指摘も多かったものの過ぎた事なので今回はスルーします。問題本質はそこではありません。要注目なのは「政府声明」で法律の根本的な改定については言及しておらずあくまで「日本政府はハンセン病患者の家族に謝罪と賠償をする」に留めています。要するに「控訴は見送るし賠償はするけど熊本地裁の判決は認めません」とする内容を安倍政権は「閣議決定」してしまったのです。
ハンセン病家族訴訟原告団の視点で見れば「謝罪」と「賠償」を勝ち取った事は大きな意味を持ちます。しかし、本来であれば正々堂々と「控訴」して主張すべき事を「閣議決定」で決めてしまった事は「裁判」はては「三権分立」を軽視する行為に他なりません。完全に「行政府」の権限を逸脱しています。恐るべき事態です。





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