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【正義の暴走】神奈川県川崎市「ヘイトスピーチ規制条例」に全国初の刑事罰!安易な規制強化は「表現の自由」に対する重大な脅威に!

表現規制ニュース
constitutionalism_2019_06_30

2019年6月19日(水)。神奈川県川崎市で制定を目指している「ヘイトスピーチなどあらゆる差別を禁止する条例」について福田紀彦市長は「憲法で保障する『表現の自由』に留意しつつ罰則規定である行政刑罰に関する規定を設ける」と述べました。条例の実効性の確保に向けて「罰則規定」を盛り込む方針を表明した模様。近日中に「パブリックコメント」を受け付けた後に今年12月の「市議会」に条例案を提出します。成立すれば「差別的な言動を禁じる条例」に全国で初めて罰則規定を設ける事になります。

■川崎市、ヘイトスピーチに罰金条例案 全国初の刑事罰
https://www.asahi.com/articles/ASM6Q6J41M6QULOB00D.html
朝日新聞デジタル 斎藤茂洋 編集委員・北野隆一 2019年6月24日 21時29分


特定の民族や人種を侮辱したり、地域から追い出そうとしたりするヘイトスピーチを規制しようと、川崎市は24日、違反者への刑事罰を盛り込んだ条例の素案を市議会に提示した。違反を3回重ねた場合、50万円以下の罰金とする。市によると、ヘイトスピーチに刑事罰を科すと定めた自治体はこれまでなく、全国初になるという。

■川崎市:ヘイトスピーチ
http://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000088788.html
川崎市ウェブサイト 2018年8月14日


近年、特定の国籍の外国人などを排斥し、差別を助長する趣旨の、いわゆるヘイトスピーチなど外国人を巡る人権問題について憂慮すべき状況が社会問題化しており、こうした言動は人々に不安感や嫌悪感を与えるだけでなく、人としての尊厳を傷つけたり、差別意識を生じさせることになりかねず許されるものではありません。

平成26(2014)年7月には国連自由権規約委員会から、8月には国連人種差別撤廃委員会からわが国に対して、ヘイトスピーチへの対応や規制を求める内容の勧告が相次いで出されているところです。

こうした中、国会において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」が成立し、平成28(2016)年6月3日に施行されました。

これまで「多文化共生社会推進指針」を策定し、多文化共生社会の実現に向け、さまざまな施策を進めてきた本市としては、「ヘイトスピーチを許さない」という認識のもと、国と連携して啓発活動を行うなど、誰もが安心して共生できるまちづくりに取り組んでまいります。

差別のない人権尊重のまちづくり条例(仮称)!


川崎市は昨年3月に「公共施設」をヘイトスピーチに悪用されるのを防ぐ為に事前に規制する事を盛り込んだ「ガイドライン」を施行しています。しかし「実効性」の面で課題があるとして一部の市民団体や専門家は条例に罰則を設けるべく声を上げていました。同市在住の在日コリアン3世の崔江以子氏(46歳)は「規定を設ける事で差別は罰せられ他の言論は守られるようになる」「被害に遭っている人達への希望の灯火になります」「制定までしっかりと見守っていきます」と述べています。

2019年6月24日(月)。川崎市議会の委員会はあらゆる差別を禁止して根絶を図る「差別のない人権尊重のまちづくり条例(仮称)」の素案を公表しました。7月8日(月)~8月9日(金)まで「パブリックコメント」を実施。今年12月の市議会に条例案を提出。2020年7月までに罰則を含めた全面施行を予定しています。罰則の詳細など具体的な内容は以下の通りです。

所謂「ヘイトスピーチ解消法」で規定する「民族差別的な言動」を市内の道路や公園など公共の場所で「拡声機の使用」「ビラの配布」「看板の掲示」などの手段で行う事を禁止にしました。これに違反した場合は「勧告」若しくは「命令」を行います。それに従わずに「3度目の違反」があれば「個人の氏名」「団体の名称」「住所」などを公表する他「警察」及び「検察」「刑事告発」した上で「50万円以下」「罰金」を科します。

また、罰則の対象にはならないもののインターネット上で「川崎市や市民に関わる民族差別的な言動」と判断した「書き込み」等については「プロバイダーへの削除要請」などの措置を取った上で事案を公表します。一方で「運用」にあたっては「表現の自由」に配慮しつつ恣意的な判断を防ぐ為に「学識経験者」らで構成する「審査会」の意見を随時聞く事にしています。

国際法上のヘイトスピーチの定義は?


ヘイトスピーチの一般的な定義は「人種」「出身国」「民族」「宗教」「性的指向」「性別」「容姿」「健康」など「自分で主体的に変える事は困難な事柄」に基づいて「属する個人」又は「集団」に対して「攻撃」「脅迫」「侮辱」する発言や言動を指します。

一方で、2016年4月19日(火)に日本外国特派員協会主催で記者会見を行った国連人権理事会の特別報告者で「表現の自由」を担当するデビッド・ケイ教授(米国カリフォルニア大アーバイン校)は「国際法においてはヘイトスピーチに関する定義もなければ何ら条文もない訳です」とコメントしています。

厳罰化は時期尚早!


まずは「反差別」の法律を制定してその中で「ヘイトスピーチ」について対策を盛り込むべきです。また、組織的・計画的に「人権教育」「歴史教育」を行っていく必要もあります。ヘイトスピーチは絶対に許されません。しかし、日本独自に「ヘイトスピーチ」を定義付けして法令化を推し進めるのは無理筋です。安易な厳罰化は「新たな差別」を生み出しかねません。非常に危険な流れです。

大前提で「基本的人権」に制約を掛ける法律は殊更慎重に議論しなければなりません。当ブログで再三指摘してきたように「憲法」「法律」「条例」の条文を解釈して実際に運用するのは「権力側」です。また「立法趣旨」に関わらず「法律」である以上「更なる改正」若しくは「解釈次第」で変貌する危険性を孕んでいます。これは基本中の基本です。厳罰化に賛成している人達はこの部分が決定的に欠けています。

この点で言えば「表現の自由」に留意する事を前提に「スリーアウト制」にしてワンクッションを置いたのは高く評価できます。一応「憲法94条違反」を回避する言い訳としてはギリギリの及第点です。一方で、前述のように「ヘイトスピーチ」には「基準となる明確な定義」は存在しないので「罪刑法定主義(明確性の原則)」の観点で言えば厳罰化は賛成できません。

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