
2019年3月13日(水)。所謂「静止画ダウンロードの違法化」を柱とした「著作権法改正案」について「自民党」は開会中の「通常国会」での提出を見送る方針を固めました。同党の文部科学部会と知的財産戦略調査会の幹部は同日朝の会合で「関係者の理解が十分に得られていない」として「文化庁」に再検討を指示した模様。統一地方選挙⇒参議院選挙を前に反発の多い案件は先送りにしたようです。
■ダウンロード違法化法案、通常国会提出見送り 自民
https://www.asahi.com/articles/ASM3F31MFM3FUCLV001.html
朝日新聞デジタル 上田真由美、加藤勇介、豊岡亮 2019年3月13日 11時34分
権利者の許可なくインターネットに上げられたと知りながら漫画や写真、論文などをダウンロードすることを違法とする著作権法改正案について、自民党は13日、目指していた開会中の通常国会への提出を見送る方針を決めた。文部科学部会と知的財産戦略調査会の幹部が同日朝の会合で、関係者の理解が十分に得られていないとして文化庁に再検討を指示。改めて臨時国会への法案提出を目指すよう求めた。いったん法案提出を了承した部会と調査会が一転して判断を変える異例の展開となった。
■(時時刻刻)海賊版対策、拙速の末 ダウンロード違法化、今国会見送り
https://www.asahi.com/articles/DA3S13932325.html
朝日新聞デジタル 2019年3月14日 05時00分
改正案の提出を断念した柴山昌彦文部科学相は13日、記者団に対し「反省点は、審議会での議論のやりとりも含めて、対外的にオープンにされていなかったこと」と説明した。海賊版対策を望む漫画家も味方にできず文化庁が四面楚歌(そか)に追い込まれた背景には、早急な海賊版対策を掲げる政府の方針のもと、拙速な議論を余儀なくされたという事情がある。
Twitterの反応!
ダウンロード違法化法案、通常国会提出見送り 自民:朝日新聞デジタル https://t.co/RjQlb04BMg ★まずは今回動いて下さった関係者の方々とネットの皆さんに感謝を。早速来週、漫協と文化庁との会談があります。実はこれからが本番であり、今度こそ皆さん納得&安心の法案になればと願っています。
- 赤松健 (@enAkamatsu)2019/3/13
DL規制自民が国会提出見送り→わーい、安倍ちゃんのおかげだ→7月選挙→まんが界、自民党熱烈支持→(まんが界の応援と関係なく)自民勝利→検討の上、自民、DL規制します、となると思うけど。本気で阻止したいなら野党に勝たせてコンテンツ業界の利権と政権の関係リセットしないと。 https://t.co/kINjZQkyCH
— 大塚八坂堂「感情天皇論」4月7日ちくま新書 (@MiraiMangaLabo) 2019年3月13日
与党として自浄能力を発揮できなかったことは残念無念。甘利氏にはこのどうしようもない法案をそのまま推し進めたい裏の理由があると勘繰らざるを得ない。
- 水野 祐 Tasuku Mizuno (@asukuMizuno)2019/3/7
DL違法化、差し戻しでも修正せず 甘利氏「政治論だ」:朝日新聞デジタル https://t.co/xwgFYcXSuH
産経続報。今まで一連の問題をあまり積極的に報じて来なかった産経がここにきてぶっちぎりの独走に、正直ややきな臭さを感じないわけではないですが…。『なぜ自民は了承したのか 首相の「鶴の一声」で違法DL項目削除へ』 https://t.co/GhmW4mHtnP
- 三崎尚人 (@misaki)2019/3/8
「与党の部会で了承された法案が安倍首相の『鶴の一声』で変更されたとしたら、これはこれで危険な話」「安倍首相が支持率や評判のために法案を恣意的に書き換えさせてしまったことに」「『人の支配』という話になってしまいます」←どう転んでも、安倍も自民もダメという事。https://t.co/b2C3iQWwdI
- 大下賢一郎 (@emuchiman)2019/3/8
海賊版対策の前に「国会健全化」を!
2019年3月6日(水)。自民党の文部科学部会と知的財産戦略調査会の合同会議は同日改めて通常国会への法案提出を了承しました。党内に修正や見送りを求める声は相次いだものの知的財産戦略調査会長の甘利明は「条件を付ければ逃げ道ができる」「政治論としての判断だ」と述べて押し切りました。当事者の反対の声を無視するのは本末転倒です。
2019年3月7日(木)。自民党は3月8日(金)の総務会での了承を見送りました。違法ダウンロードに関する項目の削除を求める方針を固めた模様。統一地方選挙⇒参議院選挙を前に世論の反発を懸念した安倍晋三の「鶴の一声」でストップを掛けました。一度見送られた法案を再度見送るのは異例中の異例です。
2019年3月8日(金)。産経新聞の報道では法案の危険性を見抜いた安倍晋三の指示で違法ダウンロードの項目を削除した事になっているものの菅義偉官房長官は同日の記者会見で「総理から指示した事実があったという事は全く承知していません」とコメントしました。この辺りについては情報錯綜しているので要注意です。
この後は冒頭でお伝えした流れになります。総務会メンバーで超党派議員連盟「MANGA議連」の会長を務める古屋圭司氏を筆頭に本件に慎重な姿勢な見せている人は数人居ます。彼等は自民党に意見する際の窓口になるキーパーソンです。中途半端な妥協をしなければゼロベースで再考は十分に可能な状況です。
規制派(文化庁)自身のミスで付け入る隙を作ってくれた上に統一地方選挙⇒参議院選挙を前に政府・与党は慎重になっています。せっかく拾った命をむざむざ捨てる必要はありません。大塚八坂堂氏(@MiraiMangaLabo)のツイートは必読です。海賊版対策の前に「漫画家」「出版社」「関係団体」は「国会健全化」に目を向けるべきです。
再掲。本件は表現規制的に「妥協できるか否かのボーダーライン」を遥かに超えています。静止画ダウンロードの違法化は運用次第で最凶レベルの「表現/言論規制法」に変貌します。インターネットを利用した「政治活動」及び「情報拡散」に与える影響は深刻です。例えば先に摘発された海賊版サイト「漫画村」について証拠を添えた記事を書けなくする事も出来てしまいます。落とし所を見つける戦い方は絶対にNGです。妥協ありきでは話になりません。




