
2019年3月3日(月)。所謂「静止画ダウンロードの違法化」を柱とした「著作権法改正案」について「明治大学知的財産法政策研究所」は公式サイトで「検証レポート」を発表した模様。文化庁は有識者の反対意見を不当に省いて「賛成意見」を都合良く「水増し」させた上で法改正の必要性を「自民党」に説明している事を指摘しました。自民党の「文部科学部会」は同庁の説明を受けて法改正を了承しています。
■共同声明「ダウンロード違法化の対象範囲の見直し」に関する緊急声明「ダウンロード違法化の対象範囲」の具体的制度設計のあり方について
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190219seimei.html
明治大学知的財産法政策研究所 2019年2月19日
知的財産法・情報法研究者等による共同声明(「『ダウンロード違法化の対象範囲の見直し』に関する緊急声明」及びその補足資料である「『ダウンロード違法化の対象範囲』の具体的制度設計のあり方について)を公表します。
■「賛成意見を水増し」DL違法化、専門家が文化庁を批判
https://www.asahi.com/articles/ASM3351BKM33UCVL007.html
朝日新聞デジタル 上田真由美 2019年3月4日 05時02分
権利者の許可なくインターネットに上げられたと知りながら漫画や写真、論文などをダウンロードすることを全面的に違法とする著作権法改正を進めようとしている文化庁が、自民党に正確ではない説明をしたと指摘する「検証レポート」が3日、明治大学知的財産法政策研究所のホームページで公表された。
Twitterの反応!
審議会まとめる官僚は「一度この方針で行く」と決めたらどんな手段も使う。都合のいいデータを持ってきて全体で了承されたという形をつくる。俺が専門委員をやっていた12~13年前にも手法こそ違えどやってた。あの時は単に音楽映画業界だけだったから話題にならなかっただけ。 https://t.co/XtZK2rUyCF
- 津田大介 (@suda)2019/3/4
文化庁は、何をされたいのでしょう? 文化庁長官は、芸術に理解の深い東京藝大前学長の宮田亮平さんですが、宮田さんがこのような方向にご賛成とも思われず。一体、誰が、どんな意図で無理筋の法案を進めている? RT “賛成意見を水増し? DL違法化専門家が文化庁を批判 https://t.co/9xLCriaAd3
- 茂木健一郎 (@enichiromogi)2019/3/4
なるほど。ダウンロード違法化のため、賛成は少数派なのに1人の発言を4分割して多数派だったように工作したと。森友の地下ゴミを角度を変えて撮影し、同じゴミを別のゴミに見せかけ値引き根拠にした捏造例と瓜二つだな。
- 盛田隆二 (@roduct1954)2019/3/4
「賛成意見を水増し」DL違法化、専門家が文化庁を批判https://t.co/BsHzWXrRUX
今度は #文化庁 の捏造?とも思える報道
- 山本かずおみ (@azuomikun)2019/3/4
ダウンロードだけでなく #スクリーンショット も違法となるケースも有り、明らかに議論や国民理解が不足している中でなぜ急ぐのか?#お上 の何らかの意図を疑わざるを得ません
「賛成意見を水増し」DL違法化、専門家が文化庁を批判 https://t.co/p4eSbF7RHY
「はじめに結論ありき」の安倍政権のやり口ですね。自民党もまた舐められてるんですよ、安倍の言いなりで物申さない安倍様政党に成り下がったから。https://t.co/SbN2AIllQx
- 大下賢一郎 (@emuchiman)2019/3/4
海賊版対策はゼロベースで再考を!
文化庁は法改正の方向性を纏めた今年2月の「文化審議会著作権分科会」で「発言者の名前」を伏せた上で「慎重な意見」と「積極的な意見」を3対7の割合で説明資料に掲載しています。規制強化に慎重な意見に関して委員8人の連名で慎重な検討を求める意見もあった事は付記しているものの意図的に省略していました。一方、規制強化に積極的な有識者の意見は大きく掲載した上で「複数に分割して掲載」する事で「賛成」を「水増し」していたのです。
文化庁の示した方向性に賛同した委員の意見は余す事なく紹介しているのに「慎重な意見」を出した委員の意見は紹介すらしていません。また「慎重な意見の一部を切り取って賛成であるかのようにミスリード」していました。明治大学知的財産法政策研究所「全体的に積極的な意見は少数派であるにもかかわらず多数派であったような誤解を誘っている」と指摘しています。
更に「諸外国」の事例を紹介した部分では「比較対象国の選定」を問題にしました。文化庁の説明資料は「ドイツ」「フランス」「カナダ」などを引き合いに出して「規制強化は国際的な潮流」である事を強調しています。公正な利用と認められれば権利侵害にはならない「フェアユース」を規定している国や地域は「米国」「韓国」「台湾」「シンガポール」など少なくありません。軽微なスクリーンショットやコピー&ペーストは適法になっています。こうした国々について意図的に省いた点は悪質です。
政策判断を行う上で審議会における議論の状況を正確に把握すべき立場である「与党」に正確な情報が提供していないのは「立法過程」における極めて重大な過失です。法改正の根拠は完全に崩れました。海賊版規制強化の法制化を求めてロビー活動を行なってきた漫画家や出版社らはようやく「反対の声」を上げ始めています。
再掲。本件は表現規制的に「妥協できるか否かのボーダーライン」を遥かに超えています。静止画ダウンロードの違法化は運用次第で最凶レベルの「表現/言論規制法」に変貌します。インターネットを利用した「政治活動」及び「情報拡散」に与える影響は深刻です。例えば先に摘発された海賊版サイト「漫画村」について証拠を添えた記事を書けなくする事も出来てしまいます。落とし所を見つける戦い方は絶対にNGです。妥協ありきでは話になりません。




