
2019年2月1日(金)。公的年金を運用する「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」は2018年10月~12月期の運用実績について「14兆8039億円」の「赤字」だった事を発表しました。四半期ベースでの赤字幅としては過去最大規模です。大きな要因は米中貿易摩擦などによる「世界的な株安」で国内外の株価は大幅に下落しました。また、急速に進んだ「円高」によって「外貨」で運用している資産は目減りした事も影響しています。
■公的年金運用損、最悪の14.8兆円 昨年10月~12月
https://www.asahi.com/articles/ASM214F68M21UTFL002.html
朝日新聞デジタル 中村靖三郎 2019年2月1日 15時53分
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は1日、昨年10~12月期で14兆8039億円の運用損が出たと発表した。最近の世界的な株安によるもので、四半期ベースの赤字額は過去最大。以前に比べ、年金資産に占める株式の運用比率を高めており、株価下落の影響を受けやすくなっている。
赤字になるのは3四半期ぶり。これまで最大の赤字額は、中国の景気減速などの影響を受けた15年7~9月期の約7・9兆円だったが、今回の損失はその2倍近くに膨らんだ。資産総額は150兆6630億円に目減りした。
Twitterの反応!
権力の私物化。年金資金も日銀も株価の吊り上げに使われている。年金の半分を株で運用し、日銀が上場企業の半分で大株主。こんなバカなことをやっているのは日本だけ。経済の先行きが不透明になる中、国民の年金が吹き飛ぶ危険性も高まっている。消費税増税?ことの重大性をまず理解しないといけない。 https://t.co/sbWvTSClqD
- 小沢一郎(事務所)NHKニュース (@zawa_jimusho@nhk_news)2019/2/2
老後の命綱である年金積立金のリスクマネー運用を拡大し、アベノミクスの株高を演出するための株価買い支えにつぎ込み、15兆円近く大損しても、誰も責任を取らない。賃金上昇も、株高もみんなフェイク。こんな政治は終わらせるしかありません! https://t.co/bBDEQ1ZsEN
- 小池晃Yahoo!ニュース (@oike_akira@YahooNewsTopics)2019/2/1
【年金は誰のものか】アベ政権は。日銀とともに公的年金を注入して株買いしてきたが、昨年10~12月の株価暴落で、公的年金の運用損が最悪の14.8兆円を記録した。国民の財産を使って、アベ政権の生命維持装置として悪用してきた結果だ。https://t.co/udW7gv3Uio
- 金子勝 (@asaru_kaneko)2019/2/1
預けた年金基金を株などというギャンブルに注ぎ込んでどんどん減らし続ける安倍晋三と、「次は絶対に勝って倍にして返すからカネ貸してくれ」というギャンブル依存症の知り合いに現金を渡すことと、いったいどこが違うと言うのか?まったく同じ構造ではないか。
- きっこ (@ikko_no_blog)2019/2/1
運用益が出ている時は無視して運用損が出た時だけ批判するのはフェアじゃないという意見がありますが、庶民の老後の頼みの綱である年金の積立金が15兆近くも泡と消えるリスクなんてとるべきじゃないと思う。たとえ1000兆円儲かる可能性があっても。 https://t.co/HIBzYFi8jh
- 布施祐仁共同通信公式 (@ujinfuse@kyodo_official)2019/2/1
累積収益はプラスでも既に「後戻りは不可能な状態」に!
2018年12月月末時点の資産総額は150兆6630億円に目減りしました。利回りはマイナス9.06%。2001年に市場運用を開始して以降の利回りはプラス2.73%。累積収益額は56兆6745億円のプラスです。中国の景気減速などの影響を受けた2015年7月~9月期の「7兆9000億円」で朝日新聞の記事で指摘しているように今回の損失はその2倍に膨らんでいます。
GPIFは2014年10月に保有資産に占める国内外の株式や債券の割合を見直して国内外の株式割合の目安をそれぞれ12%⇒25%に引き上げています。結果的に「株価」の影響を受け易くなりました。運用実績の損失の多くは株を「時価評価」した事によるものです。理論上は株価が持ち直せば赤字幅は縮小します。
前述のように「累積収益」で見れば「黒字」です。大前提で「投資」は長期的な運用で利子や配当を積み上げていく仕組みです。本来は短期的の株価変動での値下りだけを見て判断するべきではありません。しかし、安倍政権の主導でGPIFの行っている事は「年金基金を増やす為の株式投資」ではなく「アベノミクスの成果を『演出』する為の買い支え」です。
GPIF&日本銀行(日銀)は株価を上げる為に「買い支え」を繰り返しています。買い支えを止めれば株価は急落するので既に「後戻りは不可能な状態」になってしまいました。所謂「高値買い」のポジションを積み上げている状態で僅かな株価の急落で数億円~数兆円規模の損失が発生するのです。今年も株価上昇しなければ損失額の拡大は確実の見通しです。




