
2019年1月30日(水)。厚生労働省の公表する「毎月勤労統計調査」の不正問題を巡って立憲民主党など野党5党・会派は合同ヒアリングを行いました。2018年度の実質賃金の伸び率の大半はマイナスになるとの試算について「厚生労働省」の責任者は「ほぼ同じような数字が出る事が予想される」と大筋で認めた模様。安倍政権は「アベノミクスの成果」及び「今世紀最高水準の賃上げ」を国民に宣伝する為の「根拠」として「実質賃金の伸び率」を繰り返し強調しています。(情報提供:12434氏)
■18年の実質賃金は大半でマイナス 厚労省見解
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40657880Q9A130C1EAF000/
日本経済新聞 2019/1/30 13:10
毎月勤労統計の不適切調査問題を巡り、厚生労働省は30日の野党合同ヒアリングで、18年1~11月の実質賃金の伸び率が大半でマイナスになるとの野党の試算について「同じような数字が出る」との見解を示した。この試算は1年前も調査対象となった事業所と比べた参考値。厚労省は名目賃金の参考値は公表したが、実質賃金は検討中として明らかにしていない。
■【アベノミクス偽装】実質賃金はマイナスだった 安倍首相が世界に大ウソ
http://tanakaryusaku.jp/2019/01/00019518
田中龍作ジャーナル 2019年1月25日 17:07
「21年ぶりの記録的な賃金上昇」…安倍政権が御用マスコミを使って一斉に報じさせた2018年6月の賃金統計 ―
ところが実際はその逆で惨憺たるものだった。2018年の実質賃金の伸び率はマイナスだったことが、野党議員の追及で明らかになった。きょう25日、政府はそれを認めた。
23日、ダボス会議に出席した安倍首相は「産業界は5年連続、賃金を今世紀に入って最も高い、前年比2%上げるという対応を示してきた」とスピーチした。デッチ上げで塗り固めた賃金上昇を強調したのである。日本国首相として得意のウソを世界にばら撒いたのだ。
Twitterの反応!
厚労省の屋敷次郎・大臣官房参事官は、モゴモゴ言いながらも最後は「ほぼ同じような数字が出ることが予想される」と答えた。厚労省が「実質賃金の伸び率がマイナス」であったことを認めた瞬間だった。
— 田中龍作 (@tanakaryusaku) 2019年1月30日
野党議員たちの間から「ウォー」と どよめき が起きた。https://t.co/fTeVEy0ERq
=右端の数字= pic.twitter.com/AUbzyjXMLo
アベノミクスの成果の根拠として去年6月に前年比3.3%としていた賃金上昇率の伸び率が実は1.4%だった。実質賃金の伸び率で比較すると2%が実は0.6%と推計されました。昨年1月から11月の平均はら-0.5ではないかと推計もされます。
— 蓮舫・立憲民主党 (@renho_sha) 2019年1月30日
野党ヒアリングで厚労省はおおむね認める発言をしました。 pic.twitter.com/AsGnr57kDH
今日の勤労統計不正賃金偽装野党合同ヒアリングで、参考値(ブルーのグラフ・共通の事業所との比較)における実質賃金の伸び率がプラスになったのは11ヶ月中たったの1ヶ月だけだった事を厚労省は事実上認めた。カサアゲミクスだわ。 pic.twitter.com/wCWOSi2eKm
— たつみコータロー参議院議員 日本共産党 (@kotarotatsumi) 2019年1月30日
18年の実質賃金は大半でマイナス 厚労省見解(日経)https://t.co/5I81FFPS2a
- 山崎 雅弘 (@as__yamazaki)2019/2/1
ウソを根拠にした権力者を持ち上げるイメージ宣伝は、後になって「根拠が実はウソでした」と発覚しても、音量と物量がそれを凌ぐほど大規模に宣伝がなされていれば、宣伝として成功する。意図的なウソやデマの流布も同じ。
29日にNHKが「戦後最長の景気回復」って報じたばかりなのに滅茶苦茶じゃん。
- 大神ひろし@肉球新党 (@psh41_1945)2019/1/30
日本はGDPの8割以上を内需に依存している国なのに、実質賃金が減少して国民の購買能力低下を招いている現状が好景気なはずねーだろ。
18年の実質賃金は大半でマイナス 厚労省見解: 日本経済新聞https://t.co/QUA20Vui6k
屋敷次郎大臣官房参事官「ほぼ同じような数字が出る事が予想される」!
立憲民主党など野党5党・会派は「実質賃金の参考値」について2018年6月と11月を除いて全てマイナスになるとの試算を示しました。調査した厚生労働省は大筋でこれを認めました。大きな問題になるのは「前年度の同じ月と比べた伸び率」です。実質賃金はアベノミクスの成果(評価)を左右する重要な指標ではあるものの2018年度で見ればほぼ全ての月で伸び率は下っています。安倍晋三の強調していた「21年5カ月ぶりの高い伸び率」は2018年6月を例に見れば3.3%増⇒2.8%増⇒1.4%増と半分以下に下方修正しています。
屋敷次郎大臣官房参事官は「ほぼ同じような数字が出る事が予想される」との見解を示しました。野党は更に「抽出調査の対象事業所の入れ替えで伸び率が実態より高く出ている」と指摘していて実質賃金の数字そのものに疑問を投げ掛けています。国民民主党の山井和則氏(衆議院)は「賃金がどれだけ伸びているかはアベノミクスの一丁目一番地」「アベノミクス偽装とさえ言えるのではないか」と批判しています。
尚、厚生労働省は2018年1月からは抽出した賃金の調査結果を「3倍」にして「全数調査」に近づける新たな不正処理を開始しました。これによって実質賃金は大幅にアップしていて「アベノミクスの成果」を強調する安倍政権の意向が働いた可能性は否定できません。
また、同省は長年に亘って行なってきた毎月勤労統計調査の不正操作のデータを「補正」する為に必要な2004年~2011年までの資料を廃棄・紛失していました。結果的に日本政府の「基幹統計」のデータに長期に亘って穴が開く前代未聞の事態になる可能性もあるのです。
安倍晋三は1月28日(月)に行った「施政方針演説」で「5年連続で今世紀最高水準の賃上げが行われた」と強調しました。翌日1月29日(火)午後の参議院本会議・決算質疑で立憲民主党の風間直樹氏(参議院)は毎月勤労統計調査の不適切な処理について「アベノミクスの成果の根拠は崩れた事を認めるか?」と質問しました。これに対して「今回下方修正された賃金の伸び率のみを強調してアベノミクスの効果と言った事はない」と完全に開き直っています。
森友学園事件で味を占めた安部政権はスキャンダルに対して「証拠を提示されても絶対に認めない」を貫いています。開き直った安倍政権を裁けるか否かは「有権者」の関心度(危機感)次第です。政府・与党は明らかに「嘘」を吐いていた訳です。厚生労働省に責任転嫁する事で有耶無耶にしてはいけません。




