
2019年1月3日(木)。自民党の平沢勝栄(衆議院)は山梨圏内で開かれた集会で「LGBT(性的少数者)ばかりになったら国は潰れちゃうんですよ」と発言した模様。同氏は翌々日1月5(土)にマスメディアの取材に対して事実関係を認めています。LGBTを巡って同党の杉田水脈(衆議院)は新潮社「新潮45」で「LGBTは性的嗜好(指向)で支援不要」「生産性がない」と寄稿して批判を浴びました。無知に基く深刻な偏見を露にしています。(情報提供:12434氏)
■【政治】「LGBTばかりなら国つぶれる」自民・平沢議員 集会で
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019010501001365.html
東京新聞(TOKYO Web) 2019年1月6日 00時43分
自民党の平沢勝栄衆院議員は3日、山梨県内で開かれた集会で「性的少数者(LGBT)ばかりになったら国はつぶれる」との趣旨の発言をした。平沢氏が5日、取材に対し事実関係を認めた。
平沢氏は取材に「日本の少子高齢化問題についての文脈で発言した。LGBTの方の権利を守るのは当然だと思っている。存在を否定する意図は全くない」と説明した。
LGBTを巡っては、自民党の杉田水脈衆院議員が昨年「生産性がない」と月刊誌に寄稿し、批判を浴びた経緯がある。(共同)
Twitterの反応!
許せん。
- 池内さおり (@keuchi_saori)2019/1/4
セクシュアリティやジェンダーについて謙虚に学ぶ姿勢すら持ち合わせておらず、暴言を撒き散らす無責任!不誠実!
誰しも認識に限界はある。認識の狭さを直視し学び、物を言うべき。民主主義の基本すら放棄。勝手すぎる。
“LGBTばかりになったら国はつぶれる” https://t.co/UGlDK8tjK4
“LGBTばかりになったら国はつぶれる”(日本テレビ系(NNN)) - Y!ニュース https://t.co/v9ZUI3mzu9 「生産性がない」発言もひどかったが、今回の平沢氏も許しがたい。自民党はこんな議員ばかりか。それこそ国がつぶれる。
- 佐藤 圭 (@okyo_satokei)2019/1/4
入管法改正案について「議論したらきりがない。いくらでも問題点が出てくる」と述べた自民党・平沢勝栄氏、今度は「LGBTばかりになったら国はつぶれる」と、許しがたい発言。すっかり自民党の本音を吐露する先頭打者になりつつある。 https://t.co/fJ2aJ1B9qX
- 武田砂鉄 (@akedasatetsu)2019/1/4
「LGBTばかりになったら国はつぶれる」と直球のLGBT差別発言をした平沢勝栄だけど、この人って自民党の設置した"差別問題に関する特命委員会"の委員長だったんだぜ…。 pic.twitter.com/O1gcbJ09LT
— 大神ひろし (@ppsh41_1945) 2019年1月4日
何故LGBTばかりになるという仮定をしたがるのか理解に苦しみますが、そうなって潰れるような国なら潰れれば良いんじゃないですか?国ありきで個人の在り方が否定されるより100倍マシですよ。
- 異邦人 (@eriozka1917)2019/1/4
“LGBTばかりになったら国はつぶれる” #日テレNEWS24 #日テレ #ntv https://t.co/vojaU4vo07
非科学的なヘイト発言の背景に自民党特有の病!
前述の発言は日本の「少子高齢化問題」について触れた際に「LGBTで同性婚で、男と男、女と女の結婚、これは批判したら変な事になるからいいんですよ」「もちろんそれでいいんですよ」「でもこの人達(LGBT)ばかりになったら国は潰れちゃうんですよ」と述べました。また、東京都の渋谷区や世田谷区など所謂「パートナーシップ証明書」を発行している自治体に触れて「先進区だとか自慢しているが私にはその考え方はよく分からない」と否定的な見解を述べています。
平沢勝栄はマスメディアの取材に対して「憲法に保障された権利でそもそも賛成・反対の話ではない」「『やめろ』という事はできない」「存在を否定する意図は全くない」と釈明しました。パートナーシップ証明書を発行している自治体に言及した部分については「区だけの問題ではなく国の問題であり国会で議論すべき」との趣旨で「自治体を批判した訳ではない」とコメントしています。国会での議論は一向に進展していない現状に対して「同性婚などの話題はタブー視され過ぎていて議論が進まない」「これがおかしい」と指摘しています。
平沢勝栄の発言を巡ってはインターネット上を中心に批判殺到しています。立憲民主党はTwitterで「こういう事を平気で言ってしまう国会議員ばかりになってしまったら『国は潰れる』と思います」と強く批判しました。昨年「同性愛者」である事を公表した東京大学名誉教授のロバート・キャンベル氏はTwitterで「平沢さん、少しは勉強してくださいよ」と苦言を呈しています。
元タカラジェンヌでLGBTアクティビストの東小雪氏は「少子化とLGBTの権利を守る事は全く別の問題」「どのような文化的背景、宗教の国にも性的マイノリティの人々は一定の数います」「可視化が進んでも『LGBTばかりになる』事はありえません」と批判しました。LGBT法連合会は「平沢氏の発言は、性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者に対する、存在の否定ともいえる発言であり、このような主張は到底許容できない」と一連の発言を批判しました。平沢勝栄に対して発言の撤回と謝罪を求めています。
杉田水脈は確信犯的に差別発言をしているのに対して平沢勝栄は「無知」を前提にした発言のように感じます。同性婚の有無に関係なくLGBTの割合は一定で「LGBTが増えた」と感じるのは所謂「カミングアウト」する人達が増えたに過ぎません。また、2019年1月の時点で世界の「GDP(国内総生産)」に占める同性婚・同性パートナーシップを持つ国・地域のGDPは58%に及びます。同性婚を認めた25カ国の内直近の合計特殊出生率で日本を下回っている国はスペインの1カ国だけです。
一般的に人口の10%程度はLGBTに該当するそうです。100%又はそれに近づく事は通常ではあり得ません。大前提でLGBTは国の政策で増減するものではなく「先天性」のものです。LGBTである事をカミングアウトする人は増えても「LGBTの権利を認める事」で数自体が急増する事は考え難いです。要するに「LGBTばかりになる」という仮定が既に間違っているのです。
国の将来を案じるのであれば現実的に「少子高齢化」に対処するべきです。何か(誰か)に責任転嫁にしている内は一生解決できません。海外では「児童養護施設」の子どもを引き取って自分達の子として育てる同姓カップルも存在します。政治家の仕事はこうしたシステムを作る事です。自民党は杉田水脈による寄稿文で炎上した際に口頭注意程度で実質的にお咎めなしでした。LGBTを後天的に獲得する趣味嗜好のように位置付ける時代遅れな発想は自民党特有の「病」です。




