
2019年1月6日(日)。NHKの番組「日曜討論」に出演した安倍晋三は沖縄県宜野湾市の「米軍普天間飛行場」の「名護市辺野古移設」をついて「土砂を投入するにあたって(辺野古の)サンゴについては移しております」「また、絶滅危惧種が砂浜に存在していましたがこれは砂をさらってしっかりと別の砂浜に移す努力をしながら行っていくという事であります」と発言しました。この発言を巡って大きな波紋を呼んでいます。
■安倍首相が辺野古土砂投入で「サンゴを移した」と大嘘!本当は準絶滅危惧種のヒメサンゴを移植せず
https://lite-ra.com/2019/01/post-4475.html
LITERA(リテラ) 2019.01.07
安倍首相が新年早々、信じられないような大嘘とゴマカシをテレビでおこなった。昨日(1月6日)、放送された『日曜討論』(NHK)での、沖縄県で進められている辺野古新基地建設の土砂投入にかんする発言だ。
司会者から辺野古への土砂投入の話題を振られた安倍首相は、「まず誤解を説かなければならない」と言い、こうつづけた。
~省略~
しかし、問題はこのあと。安倍首相はこんなことを言い出したのだ。
「で、いま、土砂が投入されている映像がございましたが、土砂を投入していくにあたってですね、あそこのサンゴについては、移しております」
土砂が投入された場所のサンゴは移している──。安倍首相はそう語ったのだ。
■「辺野古のサンゴ」は本当に移植されたのか 安倍首相発言の真偽、地元に聞いた
https://www.j-cast.com/2019/01/07347439.html?p=all
J-CASTニュース 2019/1/7 19:37
米軍基地移転に向けて海の埋め立てが進む沖縄・辺野古について、安倍晋三首相がサンゴは移植したとNHKの日曜討論で発言して、驚きの声が上がっている。
沖縄県の玉城デニー知事が「現実はそうなっておりません」と反応するなど波紋が広がっているが、実際のところはどうなのだろうか。
「日曜討論 2019.1.6 2019年政治はどう動く 9党党首に聞く」(自民党 安倍晋三)!
Twitterの反応!
日曜討論 2019.1.6 ウソ放送
— asuka 🇸🇬 (@asuka_SGP) 2019年1月6日
安部総理大臣
土砂を投入していくにあたってですね、あそこのサンゴについては、これは移しております。
希少生物は他の海に移してるところです。
😂辺野古の珊瑚や海洋生物を他に移す作業をしながら土砂投入しているそうです。国のトップが大嘘つき#Okinawa #Henoko pic.twitter.com/Rv6SmIvgVj
どこに移したのか聞いてほしかった(呆 https://t.co/Vx67nkoVe7
— ゆりかりん (@yurikalin) 2019年1月6日
安倍総理…。
- 玉城デニー (@amakidenny)2019/1/7
それは誰からのレクチャーでしょうか。現実はそうなっておりません。だから私たちは問題を提起しているのです。
安倍首相「土砂を投入していくにあたってですね、あそこ(辺野古)のサンゴについては、これは移しております。希少生物は他の海に移してるところです」
— 大神ひろし (@ppsh41_1945) 2019年1月6日
本当に見え見えの嘘をつくなこの人。
サンゴをはじめとした多くの海洋生物を、そんな簡単に他の海に移せるわけねーよ!pic.twitter.com/GVVD48IG1Q
安倍総理が「辺野古のサンゴは移植した」と新年早々の大ウソ。政府はサンゴ移植に関して沖縄県に許可を求めることを嫌い、例えば準絶滅危惧種のヒメサンゴについて汚濁防止膜を増やすなどして移植しなかった。しかしその汚濁防止膜を固定するブロックがサンゴを破壊。罪深い(画像はテレビ朝日より)。 pic.twitter.com/BoNt7cdsiN
— 花瑛塾広報局 (@kaeizyuku_PR) 2019年1月6日
新基地建設工事でサンゴ礁「94群体」破壊?
沖縄県の玉城デニー知事はTwitterで「安倍総理…」「それは誰からのレクチャーでしょうか」「現実はそうなっておりません」「だから私たちは問題を提起しているのです」と即座に否定しました。インターネット上では一部の愛国カルトを除いて安倍晋三の「嘘」を指摘する声で溢れています。
2018年7月~8月に「沖縄防衛局」は辺野古の「埋め立て海域」で見つかった絶滅危惧種の「オキナワハマサンゴ9群体」を採捕・移植しました。安倍晋三はこの件で「サンゴについては移しております」と発現した可能性はあります。しかし、新基地「K-4」の護岸付近では「準絶滅危惧種」である「ヒメサンゴ」も発見されています。
沖縄防衛局は当初このヒメサンゴを移植に向けて「特別採捕許可」を申請していものの移植先の選定で「適当ではない」との理由によって不許可になっています。直後に沖縄防衛局は前述のヒメサンゴを移植対象から外して護岸工事を推し進めたのです。
オキナワハマサンゴについてLITERA(リテラ)の記事によれば、5月~10月の移植はサンゴの産卵期や高水温期で「死ぬ可能性」は高く沖縄防衛局も当初はこの時期の移植を避けていました。しかし、2018年8月に「防衛省」で行われた「環境監視等委員会」では「オキナワハマサンゴは比較的高水温に強いという話があった」として方針転換しています。日本国内では前例のない「遮光ネット」で直射日光を避けるなどの策で「移植」に踏み切ったのです。
サンゴの研究者である東京経済大学の大久保奈弥准教授は「オキナワハマサンゴが高水温に強いと示した論文はない」「絶滅危惧種である以上は1群体も死亡させてはならず白化死亡の恐れがある高水温期に移植を許した委員会の見識を疑う」と指摘しています。
現時点で沖縄防衛局が埋め立て工事に伴う「特別採捕許可申請」を出している「小型サンゴ類」は「約830群体」と「約3万8760群体」で「大型サンゴ類」は「約22群体」に及びます。それなのに「土砂を投入するにあたってサンゴについては移しております」と言い切った事は疑って掛かるべきです。
沖縄県辺野古の大浦湾は沖縄防衛局による環境影響評価の調査で「262種」の「絶滅危惧種」を含めた「5806種」もの生物を確認しています。一方で、安倍政権は辺野古の新基地建設工事を推し進めた2015年に沖縄防衛局の行った調査では投下した「コンクリートブロック」によって「94群体」ものサンゴが破壊された事を報告ししました。また「海に沈めた鉄板」の重りでサンゴを傷つけたり藻場を削っている事も確認されているのです。
要するに、実際は一部のサンゴを移植しただけで「十分な保護処置」を行わないままに新基地建設工事を強行した可能性は極めて高いです。沖縄県の「豊かな自然」は観光の大きな目玉です。現時点で安倍晋三の一連の発言を「デマ」と断定するのは早計です。しかし、仮に発言をデマだったとすれば安倍晋三は公共放送で国民を騙した上に日本の貴重な自然環境を破壊した事になります。
そもそも「サンゴ礁の移植」や「絶滅危惧種を丸ごと別の海域に移動させる」のは大仕事な上に「高度な技術」を必要とするそうです。世界的に見て成功した例は極めて稀です。仮に成功したのであれば新聞記事などで「情報」は見つかる筈です。しかし、安倍晋三の発言を裏付けるものは見つかっていません。





- ジャンル:政治・経済
- テーマ:軍事・安全保障・国防・戦争