
■特集ワイド:「日本人並み待遇」本当?入管法改正に突き進む政府
https://mainichi.jp/articles/20181206/dde/012/010/003000c
毎日新聞 2018年12月6日 東京夕刊
外国人労働者の受け入れ拡大を目的とする入管法改正案が成立すると社会はどう変わるのか。日本で長く暮らす外国人や専門家の話を聞くと、期待を抱いて来日した外国人たちへの人権被害の懸念ばかりが膨らむ。【井田純】
今回の改正案は、経済界からの人手不足解消を求める声に応じた内容といえる。中心となるのは、政府があらかじめ指定した業種で、一定の能力が認められる外国人労働者に対して与えられる「特定技能1号」と「特定技能2号」という2種類の在留資格だ。
■外国人材法案はブラック業界を助長し日本に新たな人権問題を生む
https://diamond.jp/articles/-/187621
ダイヤモンド・オンライン 窪田順生:ノンフィクションライター 2018.12.6
政府がゴリ押ししている入管法改正案が通れば、外国人労働者が大勢日本に入ってくる。しかし、低賃金・長時間労働の劣悪業界に彼らを送り込むことは、徴用工問題や慰安婦問題に匹敵する、新たな人権問題を引き起こしかねない。(ノンフィクションライター 窪田順生)
外国人労働者が増えると ブラック職場も増える理由
なんてことを言うと、「留学生や技能実習生の問題を解決するためにも、『外国人労働者』をしっかりと活用できるような法整備が待ったなしなのだ」などと、もっともらしい反論をする方もいらっしゃる。こうした方々は、「労働者数が十分に増えれば、待遇は自ずと改善する」という楽観論者でもある。しかし、どんなに立派な制度設計をしようが、何十万もの労働者を受け入れようが、今の方向性では、100年経っても、外国人にパワハラやセクハラをする事業者を撲滅することはできない。
一度でも、給料安くて待遇最悪、パワハラも蔓延みたいな職場で働いたことがある方ならばよくわかっていただけるだろうが、「ブラック労働現場」というのは、どんなに「人手」が足りてきたとしても、「ホワイト労働現場」に変わらない。
大量の労働者が職場に流れ込んでも、賃金も低いし、待遇も悪いので、フットワークの軽い人は逃げ出すし、責任感のある人は潰れていく――という感じで、単に入れ替わりが激しくなるだけ。ブラックぶりはまったく変わらない。
Twitterの反応!
その通り。
- 弁護士 星 正秀 (@oshimasahide)2018/12/9
人手不足なのは、そもそも待遇がブラックだから。そこに外国人を押し込もうという安易な発想は、国際的な人権問題に発展するはずである。
外国人材法案はブラック業界を助長し日本に新たな人権問題を生む | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン https://t.co/SlJzxHOAId
入管法改正案の施行で想定される、「外国人労働者」たちに対するパワハラとセクハラの問題。窪田順生さんのコラム。https://t.co/LLrkgYY1pJ 「ブラック労働現場」というのは、どんなに「人手」が足りてきたとしても、「ホワイト労働現場」に変わらない。外国人労働者にも職業選択の自由がある。
- 石川一敏 (@k108)2018/12/6
外国人労働者に対する日本人のブラック対応と僻地医療にて医療従事者を奴隷扱いするDQN住民の存在…問題の構造は全く同じだな。https://t.co/znwbf1zfFY
- tsunechan (@sunechan1833)2018/12/6
法務省の資料は恣意的に良い事ばかり集めた物。此の侭なら不法就労や不払いや蛸部屋労働が無くならない。日本人の労働賃金や労働条件悪化は確実。https://t.co/5nnFGtLGxg
- ナオ (@ulchi)2018/12/6
新たな身分差別を作り出そうとしているのかもしれない。国籍だけが誇りというバカな日本人を増やすために。
- 狂鬼畜 (@youkichiku)2018/12/6
→外国人材法案はブラック業界を助長し日本に新たな人権問題を生む https://t.co/77opEMyxyl
外国人労働者の受け入れ拡大は新たな「人権問題」に!
外国人労働者の受け入れ拡大の為に「新たな在留資格」を創設する「改正出入国管理法」は政府・与党の強権的な国会運営で成立しました。立憲民主党など野党6党・会派の抵抗は評価できるものの「本当の危険性」を指摘する事なく終わってしまった点は痛恨の極みです。日本人の仕事減。地元住民の負担増。景気悪化による失業者の増加などの対応策は現時点で議論されていないのです。
改正出入国管理法は前提として「外国人技能実習制度」の存在があります。実習は名ばかりで「低賃金」で働かされる実質的な「奴隷制度」なのです。外国人技能実習生は建前上「労働者」ではないので「最低賃金法」の対象にならず「雇用者」のやりたい放題になっています。以前お伝えしたように「最低賃金を下回る違法な状態」で働かされているだけでなく「光熱費名目で給料の天引き」「パワハラ」「セクハラ」など「人権侵害」が常態化しているケースは少なくありません。
実習の名目で「原発」のないベトナム人を「福島第一原発事故」の後始末の現場で働かせるなど「日本人のやりたがらない仕事」を低賃金で押し付けるだけになっています。劣悪な労働環境に耐えかねて失踪する外国人技能実習は年々増加していて今年前半だけで4279人に達しました。失踪した外国人技能実習455人に対する入国管理局の聞き取り調査を野党は独自に分析した結果、前述の天引き後の平均時給は「452円」で失踪者全体の「8割以上」は最低賃金未満の違法な状態だったのです。
改正出入国管理法は「現代の奴隷制度」と揶揄される外国人技能実習生制度を「廃止」もしくは「改善」する事なく対象を外国人労働者全体に拡大する内容です。外国人労働者全体の「技能実習生化」と言っても過言ではありません。安倍政権の外国人労働者に対する感覚は過去に朝鮮半島から徴用工を連れてきた時代と1ミリも変わっていないのです。窪田順生氏(ノンフィクションライター)の指摘するように最悪「慰安婦」や「徴用工」に匹敵する国際的な人権問題に発展する可能性は否定できません。
政府・与党や経団連は「低賃金・長時間労働」を目当てに外国人労働者を大量に受け入れようとしている事は間違いありません。しかし、諸外国の「大量の外国人労働者」の集まった街では「文化や言語の差による地元住民との衝突」「治安悪化」など様々な問題も発生しています。
最大の懸念は「日本人の労働環境改善」を前提にしていない事です。将来的に低賃金・長時間の「ブラック労働の固定化」に繋がる事で私達「日本人」に降り掛かってくる可能性は高いです。外国人労働者の受け入れ拡大で日本人の仕事の間口は狭くなります。また「国全体不況」になった時に大量の失業者を生み出してしまいます。一部の有識者は既に2020年の東京五輪・パラリンピック後に予想されている「不況」を危惧しています。
かつての「リーマン・ショック」で所謂「派遣村」は急増しました。同じような状況になる事は想像に難しくありません。ブラック労働の増加。言語や文化の違いによる軋轢。日本人の仕事減。不況時の失業者激増など同時多発的に発生した場合に取り返しのつかない事態になってしまいます。




