
■「保守速報」の記事掲載、差別と認定 地裁が賠償命じる
http://www.asahi.com/articles/ASKCJ552TKCJPTIL01D.html
朝日新聞デジタル 大貫聡子 2017年11月16日 19時41分
ネット上の差別的な投稿を集めて掲載され、名誉を傷つけられたとして在日朝鮮人の女性が、まとめサイト「保守速報」を運営する男性に2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であった。森田浩美裁判長は、運営者に名誉毀損(きそん)や差別の目的があったと認定し、200万円の支払いを命じた。
訴えていたのは、大阪府東大阪市在住のフリーライター李信恵(リシネ)さん(46)。原告の弁護団は、まとめサイト運営者への賠償命令は「我々が知る限りで初めて」と評価した。運営者側は控訴する意向。
Twitterの反応!
今回の大阪地裁判決において重要なのは、まとめサイト管理人の当事者性が認定された一点に尽きるだろう。尤も、保守速報側は控訴する構えを見せており、控訴審がどのような判決を出すかは分からないが、何れにせよ差別的書込みを集めた行為に裁判所が一定の判断を示した点には大いに意義がある。
- 異邦人 (@eriozka1917)2017/11/16
保守速報への損害賠償命令を下した大阪地裁判決では「情報の集約に過ぎない」とした管理人男性に対し、「男性による表題の作成や情報量の圧縮、文字の強調によって内容を効果的に把握できるようになった」と指摘。単なるデータベースとの違いをハッキリ指摘している。
- 異邦人 (@eriozka1917)2017/11/16
保守速報のように、人格権を著しく貶めるヘイト言説を垂れ流して金儲けのタネにする悪質まとめサイトが、活動の正当性を失って排除されていくのは自由社会にとって喜ばしい傾向です。
- 異邦人 (@eriozka1917)2017/11/16
表現の自由は民主主義社会を支える価値観として最大限擁護されるべきですが、ヘイトスピーチのように他者の人格的尊厳を毀損する表現は自由の埒外にあるものです。それは「公共の福祉」によって保護する価値のない表現に値しますから、保守速報に対する損賠命令は正当です。
- 異邦人 (@eriozka1917)2017/11/16
違います。戦前日本は大日本帝国憲法の「法律の留保」によって治安維持法などによる人権制限を行なったのです。日本国憲法下においては人格権は個人法益として保障されており、それは民法や刑法において具現化されています。 https://t.co/z5r23G7KyP
- 異邦人 (@eriozka1917)2017/11/16
在日朝鮮人女性に対する「名誉毀損」及び「人種差別」記事を掲載!
インターネット上の差別的な書き込みを集めた記事で精神的苦痛を受けた大阪府の在日朝鮮人女性がまとめサイト「保守速報」の管理人の男性に2200万円の損害賠償を求めていた裁判に判決。大阪地裁は「名誉棄損」及び「人種差別的な記事」を掲載していたとして11月16日(木)に管理人の男性に200万円の賠償を命じました。森田浩美裁判長は「人種差別に当たる用語を追加・強調するなど編集しており女性が新たに侮辱や差別を受けた」と認定したそうです。
訴えを起こしたフリーライターの李信恵氏は2014年8月に「在日特権を許さない市民の会」の「差別的な発言」及び「保守速報」を提訴。在特会と桜井誠元会長に対しては約550万円。保守速報に対しては約2200万円の損害賠償を求めていました。前者に関しては昨年「賠償命令」が下されています。
判決によれば保守速報は「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」や「Twitter」等のSNSの内容を転載して編集。2013年7月~2014年7月に同氏に関する記事を45本掲載。この内「日本から叩き出せ」「朝鮮の工作員」「外面も内面もブサイクな輩」等の排除を煽る記事43本を「人種差別」及び「女性差別」に当たると認定しました。管理人の男性は「情報の集約に過ぎず転載した事に違法性はない」と主張しています。
しかし「表題の作成や情報量の圧縮で内容を効果的に把握できるようになった」と指摘しました。曰く「2ちゃんねるとは異なる新たな意味合いを有するに至った」として「引用元の投稿」とは別に「憲法13条」で保障する「人格権」を侵害したと結論付けています。
森田浩美裁判長は「約1年間に亘って社会通念上許される限度を超えた記事を掲載し執拗だ」「まとめサイトへの掲載により新たに差別を受けたと認めるのは相当」と述べました。過去に中傷記事をインターネット掲示板に転載して「名誉毀損」に認定された例はあります。只、実際に「転載」や「まとめ」の行為に「損害賠償請求」を認めたのは初になります。
原告の弁護団は「まとめサイト運営者への賠償命令は我々が知る限りで初めて」と評価しました。李信恵氏は判決後の会見で「大人も若い世代も見るまとめサイトに差別があふれていてはいけない」「被害が認められてほっとしている」「インターネットにはフェイクニュースやデマもあふれている」「判決が自浄効果をもたらせばいい」と語っています。
インターネット上の表現/言論環境を大きく変える危険性!
管理人の男性は判決を不服として昨日11月16日(木)付で「多分控訴すると思います」と投稿しました。裁判そのものは長引く事になる模様・・・。今回の判決は「正当」です。保守速報は安倍晋三がFacebookで紹介した事で知られる自民党礼賛のまとめサイトで特定のイデオロギーに基くデマを拡散する行為は非常に悪質です。
しかし、こうした判決の積み重ねは「言論の幅」は狭まって一歩間違えれば「弾圧」になってしまいます。今後の展開次第でインターネット上の表現/言論環境を大きく変える恐れがあります。個々人で最低限のモラルや良識を持って差別や憎悪表現を自ら控える節度のある書き込みを意識しなければなりません。表現/言論の自由を確保して自由度の高い社会を守る最低限のルールです。




