■高校生平和大使が帰国報告
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2017/08/27091646052271.shtml
長崎新聞 県内トピックス 2017年8月27日更新
核兵器廃絶を求める署名21万4300筆をスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届けた第20代高校生平和大使22人の帰国報告会が26日、長崎市内のホテルであり、現地での体験や、大役を果たした達成感をそれぞれ語った。
大使は本県など15都道府県から選出。20日に日本をたち、21日にジュネーブ軍縮会議日本政府代表部主催のレセプションに出席。過去最多となった署名を22日、同会議事務局に提出し、25日に帰国した。
一方、昨年まで3年連続で行われた軍縮会議での大使代表の演説は見送られた。外務省側は、発言は基本的に政府代表に限られており、一部の国から懸念の声が出たと説明するが、同行した高校生平和大使派遣委員会の平野伸人共同代表は取材に対し「結局、(日本が反対する)核兵器禁止条約の発言が出ることを恐れたのではないか」と疑問視。近く外務省に出向き、当時の状況や今後の対応を確認したい考えを示した。
■高校生平和大使の核廃絶演説中止の背後に安倍腹心の軍縮大使…集団的自衛権にも暗躍した防衛官僚が軍縮会議の代表者に
http://lite-ra.com/2017/08/post-3403.html
LITERA(リテラ) 2017.08.22
対米従属の先兵だった元防衛官僚を軍縮大使にした安倍政権
周知の通り、日本は“唯一の被爆国”であるにもかかわらず、核保有国であるアメリカなどとともに、核兵器禁止条約に反対の姿勢をとり続け、交渉にすらも参加しなかった。今月7日の国連採択後も日本政府として「署名しない」と明言するなど、世界の潮流である核軍縮へ強固に反発している。
さらに安倍首相は、今年の広島と長崎での平和式典でも露骨な態度を見せた。松井一実広島市長が「日本国憲法が掲げる平和主義を体現するためにも、核兵器禁止条約の締結促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい」と求め、田上長崎市長が「核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません」と強く批判したのを尻目に、安倍首相はあいさつで核兵器禁止条約に一切言及しなかったのだ。
そう考えてもやはり、今回の高校生平和大使の件では、政府側が強くプレッシャーをかけて、高校生による国連での核廃絶スピーチを阻止したと考えるのが自然だろう。さらに、このスピーチ取り止めには、軍縮会議日本政府代表部大使(軍縮大使)の人事が関係しているのではないか、ともいわれている。
この軍縮大使というのはその名のとおり、ジュネーブ軍縮会議の日本政府代表なのだが、昨年12月の人事で、その責任者に安倍首相と近い防衛官僚の高見沢将林氏が就任していたのだ。軍縮大使に外交官ではなく、元防衛官僚が就任するのは異例中の異例。実際、ここ20年をみても、民間から起用された猪口邦子氏(現・自民党参議院議員)を除いて全員が外務省出身者だった。
■「20代目の節目なのに」高校生平和大使の演説見送り、長崎から落胆の声
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/352071/
西日本新聞 2017年08月20日 06時00分
スイスのジュネーブ軍縮会議で高校生平和大使による演説が今年は見送られる見通しとなったことを受け毎年、平和大使を派遣している被爆地の長崎では、大使経験者や被爆者らから「残念」「意見の違いを尊重して」などの声が上がった。
長崎市では19日、今年の高校生平和大使22人のうち、長崎から派遣される3人の出発式があった。彼らは演説を想定し、英語力を鍛えてこの日を迎えた。
引率する元教師の平野伸人さん(70)=同市=は、取材に対し「正式に見送りを伝えられたわけではないので何とも言えない」と絶句。その上で「政府が反対している核兵器禁止条約を平和大使が『推進すべきだ』と主張してしまうことを、外務省側が恐れたのではないか」と推測した。議事内容次第では直前の変更もあるといい「演説ができることを期待している」。
Twitterの反応!
日本の高校生平和大使は2014年以来毎年8月にジュネーブ軍縮会議で核兵器廃絶を訴えてきましたが、今年は突然中止に。外務省に問い合わせたところ回答が本日届きました。https://t.co/Mw4OByuhXo納得がいきません。
- 福島みずほ (@izuhofukushima)2017/8/22
今までできていた高校生平和大使のジュネーブでの演説が中止になりました。外務省から理由について文書で回答をもらいました。他国から意見、他国がどこかは言えない。他の国がそこまで意見を言うだろうか。核兵器禁止のスピーチをなぜ日本政府は中止させるのか!戦争被爆国として情けない。
- 福島みずほ (@izuhofukushima)2017/8/23
「軍縮会議での高校生平和大使の演説/日本政府“今年は見送り”/長崎の被爆者ら怒りの声」
- 志位和夫 (@hiikazuo)2017/8/22
高校生の平和の声を封じるのか。そんなに「核兵器禁止条約」が怖いか。あまりに情けなく、狭量な対応だ。https://t.co/8JjEfcBySZ
なるほどわかりやすい。「適当でない」という判断は高校生に対して「個人は国の方針と違うことを言ってはいけないよ、空気読めよ」という「教育的」メッセージでもありますね
- 小島慶子 (@ccount_kkojima)2017/8/19
高校生平和大使演説見送り 核禁止条約への言及懸念か - 共同通信 https://t.co/JXidfo2sGU
例え政府の見解と異なるとしても、それを尊重するのが民主主義でしょう。日本政府は核兵器禁止条約に反対するのみならず、核廃絶を求める声すら奪うのか。
- 異邦人 (@edicis1917)2017/8/21
「20代目の節目なのに」 高校生平和大使の演説見送り、長崎から落胆の声 https://t.co/oTrjdIbpsN #西日本新聞
徐々に広がる「戦争反対を言えない空気」は大規模な表現/言論規制の前兆?
2014年以降毎年8月にスイスで開かれる「ジュネーブ軍縮会議」で核兵器廃絶を世界に訴えてきた日本の高校生平和大使の演説。今年は日本政府の決定で見送りになっていた模様。日本政府代表部は「高校生平和大使の演説は毎年必ずやると決まっている訳ではない」「今年は軍縮会議の議事上適当でないと判断した」と説明しています。
この件に疑問を持った福島みずほ議員(社民党)は外務省に問い合わせました。回答の全文は同氏のツイート(リンク先)に掲載されています。外務省によれば「例外的措置を問題視する他国」の反対があったそうです。核兵器禁止条約の採択や高校生平和大使の発言内容とは直接関係ないと弁明したものの「他国がどこかは言えない」と具体的な事は明らかにしていません。
また、ジュネーブ軍縮会議日本政府代表部大使(軍縮大使)の高見沢将林氏を黒幕と見る意見もあります。軍縮大使に外交官ではなく元防衛省官僚が就任するのは異例中の異例。同氏は安部晋三に近い元防衛省官僚で日米安保畑を歩んだ人物です。過去20年民間から起用された猪口邦子氏(自民党)(参議院議員)を除いて軍縮大使は全員「外務省出身」だそうです。
高校生平和大使は「核兵器禁止条約」に共感を示しています。関係者は「日本政府が署名しないと明言する条約について演説で言及される事を懸念したのではないか」と指摘しました。これらは陰謀論の域を出ないものの疑われても仕方のないレベルの「状況証拠」は揃っています。
昨年、長崎の高校生平和大使としてジュネーブ軍縮会議で演説した大学1年の永石菜々子氏は「驚いたし残念に思う」「今年は核兵器のない世界に向けて前進した年で平和大使も20代目の節目」「演説には絶好の舞台だと思っていたのに」「日本政府と平和大使の温度差を強く感じた」と険しい表情で語ったそうです。
高校生の演説が中止になった程度で些細な事に見えるかもしれません。しかし、演説中止の背景を考えれば「戦争反対を言えない空気」は確実に広まっています。表現規制反対クラスタは特にこの「空気」を感じ取って欲しいと思います。





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