際限なく盗聴可能に 刑訴法改悪案 仁比氏が追及 参院法務委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-14/2016051402_03_1.html
新聞赤旗 2016年5月14日(土)
日本共産党の仁比聡平議員は12日の参院法務委員会で刑事訴訟法等改悪案について、警察による盗聴自由化の危険性を追及しました。
仁比氏は、「通信傍受は必要最小限にしなければならないとしているが、どのように定めているか」と質問。警察庁三浦正充刑事局長は「内部規定に一定のルールはある」と答弁しました。
仁比氏が「メール傍受等で何文字閲覧することが必要最小限かなど具体的設定は誰がするのか」とただすと、三浦刑事局長は「個別の事件ごとに警察が設定する」と述べ、警察次第で際限のない盗聴が可能なことが浮き彫りになりました。
仁比氏は、司法取引に関し、他人の密告で罪を着せられた被疑者の弁護人が、誰から罪を着せられたか分からない状態での弁護を強いられる危険性を追及。法務省の林真琴刑事局長は「他人の罪を供述した者を明らかにした場合に予想される報復の危険性と、供述者を明らかにしないことにより実質的に不利益が生じる恐れの有無を総合的に判断する」と答弁しました。
仁比氏が「被疑者や弁護側の防御上の不利益の有無を、検察や裁判官が判断できるわけがない」とただすと、林局長は「不服であれば、弁護側が申し立てをすることにより裁判所で判断される」と開き直りました。
仁比氏は、「盗聴や司法取引、部分録画など、次々と問題点が明らかになる中で、採決などもってのほかだ」と主張しました。
仁比聡平議員(共産党)が5月12日の参議院法務委員会で「刑事司法改革関連法案」について質問、盗聴権限の拡大の問題点を追及しました。通信傍受システムが警察署内に置かれる事を考えれば警察側の答えた「個別の事件ごとに警察が設定する」という言葉にこの法案の危険性が集約されていると思います。
同議員は昨年、警察による電子メールの通信傍受の実態を「犯罪と関係のない人のプライバシー情報も丸ごと蓄積されて漏洩されない保障はどこにもない」と批判しています。通信事業者のサーバーなど伝送路から電子メールを捕捉する警察庁の方式は盗聴法案強行の際の政府答弁と異なる事を指摘、警察による開発次第で「通信の秘密」が侵害されるのはほぼ確実である事を白日の下に晒しています。
当時、政府は「特定のメールボックスが受信したメールを自動的に転送するような設定を用いて傍受を実施する事は技術的に十分可能」「傍受の方法としては適当」という見解を示していました。これに対し法務省の林真琴刑事局長(上記の記事と同一人物)は「当時の答弁はその後の技術の発展により法的に許される範囲で技術的に可能な方法が他にあればそれを否定する趣旨ではない」というトンデモ答弁をしています。
超短期決戦なので反対意見は御早めに!
前回の記事で御伝えしたように「刑事司法改革関連法案」は参院法務委員会の理事懇談会で5月19日に採決する事で与野党が合意しています。5月20日に参院本会議で可決後に衆議院に送付されます。伊勢志摩サミットの関係で事実上閉会まで10日前後。超短期決戦になります。閉会まで長引かせて廃案に追い込むのは難しいかもしれません。
各地で反対署名や反対集会が予定されてます。しかし、安保法制などに比べれば圧倒的に民意が足りません。(限定的な)取調べの可視化にメリットがあるのか肝心の「日弁連」は及び腰になっているので状況は極めて厳しいです。
参議院法務委員会 委員名簿
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/konkokkai/current/list/l0065.htm
参議院法務委員会理事の有田芳生議員(民進党)は賛成派と見られています。反対意見は他の民進党議員と共産党議員を優先して送ってください。今回は節度を持ればFAXもOKです。余力があれば与党議員も忘れずに御願いします。
内容は「冤罪防止が目的だった筈なのに捜査当局に武器を与える法案だ」を基本軸に盗聴権限の拡大に絞って「盗聴可能な犯罪の限定化(定義の広範囲な児童ポルノの削除など)」や「第三者委員会もしくは通信業者の立ち会い」を明記するようにギリギリの妥協案を要望するのが現実的だと思います。




