<TPP>年内妥結を断念…閣僚会合、合意機運大きく後退
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131210-00000002-mai-bus_all
[毎日新聞 2013年12月10日 01時09分(最終更新 12月10日 02時40分)]
【シンガポール井出晋平、中井正裕】環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の閣僚会合は、9日午後の全体会合で年内妥結を断念し、「実質合意」を年明けに先送りする方針で一致した。知的財産や国有企業改革などの分野で交渉が難航。日米協議も関税分野での溝が埋まらなかった。年内妥結を目指してきた各国は、新たな交渉期限を設定し、年明けから協議を再開する予定だが、TPP合意の機運は大きく後退した。
全体会合では、知的財産、国有企業など難航分野について議論したが、交渉筋によると、議論を詰め切れないため年内妥結は困難との認識で一致。再度の閣僚会合は日程の都合上、交渉越年が確実となった。
知財分野では、新薬の独占販売期間の延長を求める米国に対し、マレーシアなどが「特許切れの安い後発薬が作りにくくなる」と反発。また、国有企業の分野でも大手国有企業を抱えるベトナムやマレーシアと、民間と競争条件を同じにするよう求める米国との対立解消に至らなかった模様だ。
一方、日米協議では、コメなど「重要5項目」の関税維持を目指す日本と、関税全廃を求める米国との溝が埋まらなかった。西村康稔副内閣相は、8日に続いて9日朝にも米通商代表部(USTR)のフロマン代表と短時間会談したが、議論は平行線のまま終了。西村副内閣相は記者団に対し、「明日(10日)までにまとめるのは難しい」として今会合での妥結は困難との見通しを示した。
閣僚会合は10日、貿易円滑化など意見の相違が少ない分野の交渉終了を宣言し、「部分合意」を打ち出して成果をアピールする可能性も残されている。
TPP:妥結時期見通せず…米、崩さぬ強硬姿勢 閣僚会合
http://mainichi.jp/select/news/20131210k0000m020107000c.html
TPPに関して12月10日の記事。年内妥結は断念された模様とりあえずは朗報です。このままグダグダになって潰れてくれれば理想的ですがそう上手くはいかないでしょうね。一時的に頓挫してるだけなので油断は禁物です。勝負は来年に持ち越しです。そもそもここまですれ違ってるのに無理やり妥結すればどうなるか素人目にも明らかなんですがね・・・。
舌癌の治療に専念してる甘利TPP担当相の代わりは西村康稔副内閣相だそうです。TPPそのものの行方も気になりますが国民統制に直結する「知的財産分野」に関してこの人がどんなスタンスなのか気になる所です。最近は反対派の動きもかなり大人しくJA妥協説も真実味を帯びてきた感じがします。
【TPPの真実】TPP初会合 やっぱり日本は「交渉の余地」なし
http://gendai.net/articles/view/news/143675/3
[日刊ゲンダイ 2013年7月27日]
何ともお粗末な内容だった。マレーシアで25日まで開かれていた「TPP」(環太平洋経済連携協定)会合に初めて参加した日本交渉団。閉幕後に会見した鶴岡公二首席交渉官は「重要で困難な案件にはまだ、各国に開きがある。実質的な議論に参加することは可能」と涼しい顔をしていたが、とんでもない。このままじゃあ、大惨敗確実だ。
霞が関官僚100人を現地に派遣して初交渉に臨んだ日本。大交渉団を組んだのは、初っぱなから、コメや麦、乳製品など日本が掲げる重要5品目について他国にガンガン訴えるためなのかと思っていたのだが、そうじゃなかった。1000ページ近くに及ぶ協定の原案文書を読み込む作業に忙殺されて終わったらしい。
情けないのは、大新聞テレビが「タフ・ネゴシエーター(手ごわい交渉相手)」と持ち上げていた鶴岡首席交渉官だ。会合では、初参加した日本だけに集中会合が設定された。それなのに重要5品目の例外どころか、主張さえしなかった。本人は会見で、「日本の立場を知らない人はいない」と逃げていたが、交渉事は初回が肝心。ガツンと言うべきことを言わないと、つけこまれるだけだろう。
「農水省は徹底抗戦の構えを見せているが、まとめ役の首席交渉官は米国の方ばかり見ている外務省出身。日本の主張を通すことなど考えていないのでしょう。余計な発言で他国を刺激したくない。あまりに露骨すぎます」(東大教授の鈴木宣弘氏=農業経済学)
他国の出席者は「主張しない日本」の代表者にクビをかしげていたというが、内心は「シメシメ」と喜んでいたに違いない。一体どこが「タフ・ネゴシエーター」なのか。
さらに唖然ボーゼンなのが、日本政府の交渉団が、現地を訪れた農業団体や財界、業界関係者に対し「守秘義務」をタテに交渉内容を明かさなかったことだ。「『国益』を考えれば、官民連携は不可欠。米国だって政府が経済界に対日要求を募集し、自動車や食品などの業界と密に連携を取りながら、交渉に臨んでいる。他の参加国だって同様です。それなのに日本は官民でバラバラ。農業団体が『今後の展開が全く分からない。重要5品目の聖域は本当に守れるのか』と不安を漏らすのも当たり前です」(経済ジャーナリスト)
そもそも政府は、国民が「TPP」の情報公開を求めても「参加していないので分からない。だから早く参加したい」と説明してきた。それが参加したら「守秘義務」で明かせないなんてバカにするにもホドがある。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。「今回の協議は実質的な日数が2日間しかなく、当初から結果は予想された。国民の多くは、日本の大交渉団の姿を見て『交渉の余地あり』と思ったかも知れませんが、もはや交渉の余地は残されていません。今の日本政府ができることは、協定の原案文書をきちんと国民に公開し、議論を促すこと。国民生活に関わる重要な事柄が何ら明かされないまま、協議に突き進む。主権国家としてあり得ません」
次回会合は8月22日からブルネイで始まる。交渉余地もなく、主張すらしない日本が「守るべきもの」を守れるはずがない。
此方はかなり古いですが日刊ゲンダイの記事。鶴岡首席交渉官は日本の為の集中会合で「重要5品目」の例外どころか何の主張もしなかった模様です。今更なんですが「安倍政権は交渉力があるからTPP賛成」なんて言っていたネトウヨ連中はどう言い訳するんでしょうね。こんなザマで本当に何をどうやって守る気なのか理解できません。
日本政府の交渉団は現地を訪れた農業団体や業界関係者に対して「守秘義務」を理由に交渉内容を明かさなかったそうです。結局、初めからまともに交渉する気は無かったんでしょうね。自民党の言う「交渉」なんてポーズに過ぎないのは分かってましたが、後は批准にサインをするだけで我が国の「社会構造が崩壊した」という「現実」が残るだけです。ここまで予想通りの展開だと笑うしかありません。




