<20年五輪>東京開催が決定 56年ぶり2回目
http://news.nicovideo.jp/watch/nw757455?ver=video_harajuku
[毎日新聞 2013年9月8日(日)5時20分配信]
【ブエノスアイレス小坂大】国際オリンピック委員会(IOC)の第125回総会が7日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれ、東京が2020年夏季五輪・パラリンピックの開催都市に選ばれた。東京での五輪開催は1964年以来、56年ぶり2回目。日本での五輪は72年札幌、98年長野の2度の冬季五輪を含めて4回目となる。
20年五輪には東京とマドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)の3都市が立候補した。7日の総会で各都市がプレゼンテーション(招致演説)を行ったあとに約100人のIOC委員の投票に入り、東京は1回目で42票を獲得して首位になった。マドリードとイスタンブールが26票で並んだため、再投票で49票を獲得したイスタンブールが45票のマドリードを退け、決選投票に進んだ。
決選投票で東京は半数を大きく上回る60票を獲得する圧勝で36票のイスタンブールを引き離した。セレモニーでIOCのジャック・ロゲ会長が「TOKYO 2020」と示して開催都市決定を告げると東京招致委員会の関係者は喜びを爆発させた。
大会の会期は20年7月24日〜8月9日。パラリンピックは8月25日から9月6日まで。新たに建て替えられる国立競技場をメインスタジアムとし、中央区晴海に造られる選手村から大半の競技施設が8キロ以内に配置される。日本武道館など64年五輪と同じ会場で行う競技もある。
20年五輪には当初、5都市が立候補を申請。昨年5月の1次選考でドーハ(カタール)、バクー(アゼルバイジャン)が落選して3都市に絞り込まれた。接戦が続いた招致レースは終盤になって、福島第1原発からの汚染水漏れに対する懸念がIOC委員に広がったが、最終演説後の質疑で安倍晋三首相が「汚染水は港湾内で完全にブロックされている。全く問題はない」と説明し、理解を求めた。演説の前には高円宮妃久子さまが被災地への支援に謝意を述べた。
日本は88年夏季五輪で名古屋、08年夏季五輪で大阪が招致に失敗。16年夏季五輪招致で落選した東京は当時の石原慎太郎知事が再挑戦を決め、後任となった猪瀬直樹知事も前面に立って2回目の挑戦で悲願を達成した。
◇安倍晋三首相の談話
本当にドキドキした。本当にうれしい。国民の皆さんと喜びを分かち合いたい。東京がオリンピック精神を広げ、伝えていけるということを訴えて、IOC委員の心を打つことができた。東京は安全で確実なオリンピックを開催できる。
◇投票の結果◇
【1回目】
東 京 42
イスタンブール 26
マドリード 26
【最下位決定の投票】
イスタンブール 49
マドリード 45
→マドリードが除外に
【決選投票】
東 京 60
イスタンブール 36
2020年の東京オリンピック開催が決定しました。日本人として東京開催は素直に嬉しいしオリンピックそのものは楽しみです。しかし「東京招致は国民の総意」であるかの様に馬鹿騒ぎして誘導するマスコミに強烈な違和感を感じました。反対派の声はまったく伝えない。全体主義的な雰囲気は本当に気持ち悪いです。
一時的に景気は上向きになるがそれで景気回復にはなりません。起爆剤にはなり得ますが実は膨大な借金が増える可能性もあるんですよ。国民は少し浮かれすぎです。そして、二度目の東京オリンピックで浮かれ気分の国民を地獄に落とそうとしている安倍晋三の動向に要注意です。高支持率の自公政権を止めるのは極めて難しいです。
憲法改正。児ポ法改正。青健法。TPP等など。間違いなくオリンピックにこじ付けてきます。2020年には国民は皆檻の中なんて洒落にもなりませんが、現実問題としてそんな悪法が目の前に迫っている事を忘れるべきではないと思います。
※管理人注 2013.9.10 15:30 下段に追記しました。
IOC総会で「健康問題は『将来も』まったく問題ない」と言い切った安倍首相
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takedasatetsu/20130908-00027934/
[武田砂鉄 フリーライター 2013年9月8日 9時15分]
小学生は「宿題は明日やる」と言うが、安倍首相は「そもそも宿題はありません」と言ったのだ。
猪瀬直樹東京都知事は、東京五輪開催が決定した後のインタビューで「これで希望を作ることができる」と紅潮した顔で答えた。招致におけるメインスローガンは、「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ」だった。必要とされていた夢がこうして手に入り、これで希望が作れるのだと言う。あまりにも浮ついてはいないか。投票直前の安倍首相のスピーチも含めた上で皮肉めいた言い方をすれば、欲しかった希望は、「国民の希望」ではなく「原発に対する希望的観測」だったのではないか。
投票が始まる直前に新聞受けに差し込まれた朝刊を引っこ抜いて、日本に五輪を行なう資格などないのではと根から疑った。進む投票を横目で見つつ、IOC総会での最後のプレゼン&質疑応答で放たれた安倍首相の発言要旨にうなだれた。
福島第一原発での汚染水漏れに対して、「状況はコントロールされている。決して東京にダメージを与えるようなことを許したりはしない」(9月8日・朝日新聞朝刊)とした。4日の会見で招致委員会の竹田恒和理事長が「東京は水、食物、空気についても非常に安全なレベル」「福島とは250キロ離れている」(9月7日・東京新聞朝刊)と、「中央が良ければ」という信じ難い考えを漏らしたが、7年後の大きなパーティの準備に明け暮れるあまり、目の前に山積した課題を放ってしまった。宿題をサボって遊びに行く小学生でもあってもそれなりに宿題のことをプレッシャーにしながら遊んでいるはずだが、この方々には、そういった後ろめたさがない。小学生は「宿題は明日やる」と言うが、この人たちは「そもそも宿題はありません」と言ったのだ。子どもじみている、と書いたら、子どもに失礼だ。
失われた希望を元に戻さずに、新しく希望を作ろうという。非道ではないか。
国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価を、「レベル1(逸脱)」から「レベル3(重大な異常事象)」に引き上げられた経緯のなかで、今現在の汚染水漏れを「状況はコントロールされている」と断言してしまう異様さをIOCの委員たちが最終的に察知できなかったのは残念だが、そもそもIOCは国際機関ではないし収入源の安定を最優先する組織だから、この汚染漏れの実態がどこまで最終的な判断基準として問われたかは分からない。
それにしても、目の前にある重大な事実を、「夢」「希望」という(現時点では)空疎なメッセージで覆い被せようとする働きかけに飲み込まれてはいけない。たったの2年半前に、経済優先のために進めてきた国策によって、個人がすさまじく軽視されたことを実感したばかりではないか。東京五輪が開催されれば数十万人が海外から日本にやってくる。それによる経済効果も期待される、財界の期待も膨らむ。その数十万人の一方で、福島県民は今でも約15万人が避難をしている。失われた希望を元に戻さずに、新しく希望を作ろうという。これって本当に、非道ではないか。物事には、順番がある。その順番を完全に誤っている。
「直ちに人体や健康に影響はない」と「健康問題は今までも現在も将来も、まったく問題ない」
「汚染水による影響は福島第一原発の港湾内の0.3平方キロメートル範囲内で完全にブロックされている」「健康問題は今までも現在も将来も、まったく問題ない」、この安倍首相の発言は極めて重い。安倍首相がこの場で「完全に」「まったく」と断定したことを絶対に覚えておくべきだし、とりわけ健康問題について「将来も」まったく問題ない、としたことについて、その論拠の明示を求めなければならない。
原発事故発生直後、当時の官房長官であった枝野幸男は「直ちに人体や健康に影響はない」と繰り返した。「じゃあ将来は?」という問いには答えが用意できなかったのだ。今回、安倍首相は「健康問題は将来も、まったく問題ない」と言い切った。そう言い切れる理由はどこにあるのか。直ちに明示をすべきだ。
「健康問題は今までも現在も将来も、まったく問題ない」とした後に、安倍首相はこう続けている。「完全に問題のないものにするために、抜本解決に向けたプログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手している」。現在着手しているプログラムは、「完全に問題のないものにするため」のもの。となれば、その前に発言した、「まったく問題ない」は早々に崩れる。ヘッドラインだけではなく事実を見てほしいと安倍首相は言うが、そちらのお粗末なヘッドラインを正すのが先ではないのか。
経済と夢と希望が巨大なスピーカーで連呼されたとき、悲痛で切実な声は届かなくなる。
いざ開催が決定すると、五輪と福島を絡めて冷静に発言することに、「こうして皆が喜んでいる時になんで水をさすのか」という雰囲気が立ちこめるのだろう。そして、(だからこそ)「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ」というスロガーンが巧妙に声高に動き出す。これで経済が活性化される、という言葉は、かつて地方に原発を量産したときに放たれた、これで地域が潤うんだからいいじゃないですかと、同義だ。あの時は起きるかもしれない事故に目を向けさせないようにしたわけだが、今回は起きてしまった事故に目を向けさせないようにしてみせたわけだ。こうして、経済と夢と希望が巨大なスピーカーで連呼されたとき、悲痛で切実な声は届かなくなる。
もう一度繰り返す。小学生は「宿題は明日やる」と言うが、この人たちは「宿題はありません」と言ったのだ。7年後の五輪開催は確かにめでたいが、まずは、その希望のために大きな宿題を揉み消そうとする非道に厳しい目を向けなければいけない。
安倍晋三は汚染水について「健康問題は今までも現在も将来も、まったく問題ない」と言い切った。呆れて言葉が出ない。そう言い切れる根拠が何処にあるのか?。あるならば直ちに提示すべきだ。国難を後回しにする東京オリンピックにマトモな意義は無い。浮かれ気分の国民は原発事故の事などすっかり忘れてしまった様です。
唯一評価できるのはIOC総会で「(汚染水が)東京にダメージを与えるような事を許したりはしない」と発言した事です。これで東京オリンピックが決定した事により遅れていた復興に本腰を入れざるを得なくなった訳です。全世界に「公約」したので本気にやらなければ赤っ恥では済まなくなります。
余談。リンク先のコメント欄は安倍晋三信者の巣窟になっています。汚染水の問題をマスコミの捏造だと言い切ってる辺りにリテラシーが致命的に低い事が窺える。救い様の無い馬鹿だ・・・。




