危機突破内閣・憲法96条改正に意欲…安倍総裁
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2012/news/20121217-OYT1T01041.htm
[読売新聞 2012年12月18日00時01分]
憲法改正については、「最初に行うことは96条の改正だろう。3分の1超の国会議員が反対すれば、議論すらできない。あまりにもハードルが高すぎる」と指摘した。
自民、公明両党は、衆院選で3分の2超の325議席を獲得したが、参院では過半数に達していない。安倍氏は来年の参院選で3分の2以上の議席獲得を目指すとした上で、「日本維新の会、みんなの党も96条改正については一致できるのではないか」と述べ、両党との連携に期待を示した。自民党の衆院選政権公約は96条の発議要件を「3分の2以上」の賛成から、「過半数」に緩和すると明記している。
◆憲法96条=憲法の改正手続きに関する条項。改正要件として、〈1〉国会が衆参両院のすべての議員の3分の2以上の賛成を得て発議する〈2〉国民投票での過半数の賛成で承認する――ことを定めている。
「9条変えるためハードル下げようとしている」小池晃氏
http://www.asahi.com/politics/update/1222/TKY201212220351.html
[朝日新聞デジタル 2012年12月22日12時23分]
■小池晃・共産党政策委員長
(憲法改正の発議要件を緩和する自民党の提案について)なんでこういう規定になっているかというと、時の権力が勝手に憲法を変えられないようにしているわけですよ。これを下げてしまうと、政権交代の度に憲法を変える、みたいなことになりかねない。
今度の選挙の結果をみると、小選挙区で4割の得票で8割の議席を取っているわけですよね。全有権者で言ったら、比例なんか、自民党は15%の得票なんですよね。それであれだけの多数を取れるような仕組みの中で要件を下げたら、本当に政権党のやりたい放題になっちゃいますよね。
なんでこういうふうにハードル下げようとしているかというと、結局9条だと思うんですよ。9条を変えるために、こういうふうにハードルを下げようとしている。9条は絶対変えちゃいけないと思いますね。(TBSの番組で)
■情報源:土佐の酔鯨氏(https://twitter.com/tosa_suigei)
土佐の酔鯨 @tosa_suigei
憲法第96条に手を突っ込むという禁じ手を使おうとしている安倍総裁に批判の声が高まらないのが不思議だ。憲法は国のカタチを決める基本のキの最高法規だから過半数ではダメで2/3以上が必要であると第96条が改憲にタガをはめているのだ。安倍総裁は2/3以上の議決で変えるのだから…1/3
土佐の酔鯨 @tosa_suigei
…憲法違反ではないとの理屈なのだろうがこれは憲法の精神をねじ曲げる潜脱行為でありスポーツで言えば金的攻撃や目潰しに匹敵する汚い反則技だ。噛み付きでさえ大目に見るプロレスのゆるいルールだって金的攻撃と目潰しだけは禁じている。それをやっちゃあオシマイ(フーテンの寅さん)という…2/3
土佐の酔鯨 @tosa_suigei
…許されない一線がプロレスにだってある。手始めにまず第96条を篭絡しておいてから次に第9条に手をつけようとする安倍総裁の手法はプロレスのヒールだってやらない汚い反則技である。金的攻撃で相手を悶絶させても勝者とはなれずブーイングを受けるだけで喝采を贈る観客はいない。3/3
安倍晋三が「憲法96条改正」という狂気の禁じ手を使う事を明言。小池晃氏の記事と土佐の酔鯨氏のツイートを見ればその危険性は御分かり頂けると思いますが一応説明しておきます。憲法96条は憲法改正に関する条文で「各議院の総議員の2/3以上の賛成で憲法改正が可能」というものです。何故2/3とハードルを高く設定してるのかと言えば「時の権力が勝手に憲法を変えられないようにしている」からです。
これを「自民」「維新」「みんな」の改憲派3党は「1/2以上の賛成で改憲可能」に書き換えようとしているのです。これが実現してしまえば「与党になるだけで改憲可能」となります。昨年の衆議院選挙の結果を見ると自民党は「小選挙区で4割の得票で8割の議席」を取っています。全有権者でいえば自民党比例は15%の得票。 それであれだけの議席を取れる様な仕組みで改憲のハードルを下げれば本当に「与党」はやりたい放題になってしまいます。
これは我が国の未来にとって極めて危険。政治を右翼左翼のバイアスで見てる人達は理解できないだろうが真の国士の方々はこの意味を冷静に考えてみるべきだと思います。選挙は水物。絶対に政権交代は無いと思われていたが3年半前に「民主党」は政権を取りました。与党時代の民主党が「人権救済法案」や「秘密保全法案」を強行できなかったのは「現行憲法」という枷があったからです。
仮に「自民党改憲案」の下で民主党かそれ以上の極左政党が政権を取ればその暴走を止める手段が無くなります。民主党の劣化版である「維新の会」が凄い勢いで勢力を拡大しつつあります。未来永劫保守政党が政権与党であり続けると思ってるとすればさすがに頭がお花畑過ぎるとしか言えません。
【憲法メディアフォーラム】憲法の本質を変える96条改正(2012-12-28更新)
http://www.kenpou-media.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=17
「戦後レジームからの脱却」が持論で、憲法改正に執念を燃やす安倍晋三首相が再登板した。自民党は衆院選の公約で、国防軍の設置や教科書検定の近隣諸国条項の見直しを掲げるなどタカ派色を前面に打ち出している。圧勝を決めた衆院選翌日の17日、記者会見に臨んだ安倍氏は、憲法改正を進めるためにまず、改憲の発議要件を国会議員の3分の2以上と定めた憲法96条の改正に着手する方針を明らかにした。
国内外の主なメディアは、右傾化の象徴として国防軍や集団的自衛権の問題などはとりあげるが、96条改正が持つ問題の本質を十分に伝えきれていない。
憲法とは何かを改めて確認しておきたい。それは権力を制限する規範であり、多数者によっても奪えない個人の自由や権利を守ることを柱とする法だ。改正要件が厳しいのは、憲法自身の性格による。
つまり、改正の要件を緩めるということは、時の多数派にとって都合のいい改憲案が提案しやすくなるということを意味する。それは、権力を縛るという憲法の性質そのものを変えてしまう極めて危険な試みなのだ。最後に国民投票があるとはいえ、いったんハードルを下げてしまえば、「何でもあり」の世界が生まれかねない。
自民党は1955年、自主憲法制定を党是に掲げて誕生した。以来57年。戦争放棄と戦力の不保持を定めた憲法9条は絶えず論争の的にさらされてきたが、結果的に日本人はそれを守り続けてきた。平和国家で生きていくという民意の支えがあったと同時に、96条という憲法が自ら課したハードルがあったことを私たちは忘れてはならない。
法律であれば悪法が制定されても「国のあり方」が根本的に変わり取り返しのつかない事になる事は稀ですが「自由の基礎法」と呼ばれる人権保障の基本である憲法が悪い方向に変えられてしまうと「国民」が受ける被害は計り知れません。
憲法の解釈が変われば法律の解釈も変わってしまいます。例えば共謀罪や人権救済法案で公権力が暴走した時「国民の安全」や「生存権」を守るものが無くなるのです。憲法改正のハードルが高過ぎて憲法論議もできないので緩和。こんな甘言に乗ってしまった人達は愚かとしか言えませんが今はまだ引き返せる段階。すべては今夏の参議院選に懸かっています。
私は素人なので専門的な解釈は不明だが「憲法99条」を改正する前に「96条」の改正は不可能な筈。やはり今夏の参議院選で改憲派を勝てば自民党改憲案は素通りすると思った方がいいでしょうね。ストッパー役の護憲派も上段の小池晃氏の様に「9条」の事しか触れないので一般層に伝わってません。護憲派政党に意見し周知を御願いする必要があります。




