きっかけは親権を争う元妻の「ウソ通報」!
スウェーデン「非実在青少年」裁判の当事者を直撃 過剰な表現規制が生み出す冤罪の構図とは
http://www.cyzo.com/2012/05/post_10637.html
漫画は児童ポルノに該当するのか――。スウェーデンの最高裁判所で、日本のエロ漫画を所持し逮捕された男性の裁判が5月16日から始まった。この事件、問題は単に漫画が児童ポルノに該当するのかどうかということだけではない。日本でも導入を求める声がある「児童ポルノ」所持の禁止がもたらす冤罪の可能性が現実になったものといえる。現在、裁判を争う当事者の男性を取材した。
この男性は日本漫画の翻訳者で、スウェーデンでも指折りの漫画専門家として知られるシーモン・ルンドストローム氏だ。事の発端は2009年の10月12日。その日、帰宅したルンドストローム氏は、自宅の前に2台のパトカーが停まっているのを見て驚いた。慌てて家に入ってみると、自宅は家宅捜索の真っ最中。彼の自宅に警察が踏み込んだ原因は、元妻からの通報だった。当時、彼は離婚した元妻と親権をめぐって争っていたのだが、元妻は裁判を有利に運ぶために「彼はペドフィリア(小児性愛者)である」と警察に通報したのだ。
そのまま彼は「児童ポルノ」を所持していた容疑者として逮捕されてしまったのだが、直接の逮捕容疑となったのは、彼がパソコンに保存していた300枚あまりのエロ漫画のダウンロード画像だった。警察は、保存されていた画像に描かれた女性キャラクターの胸の大きさに着目。胸の小さな女性キャラクターを「児童」であると判断し、51枚を「児童ポルノ」としたのである。
間もなく始まった裁判でも、裁判所は警察の判断を支持。「(問題とされた絵には)被写体が存在した可能性がある」とも指摘し、2010年6月に罰金2万5,000クローナ(約28万円)の有罪判決を下した。
同国では、日本の漫画市場は極めて小さい。そんな国でもっとも驚かれたのは「イラストが法規制の対象とされたこと」だ。スウェーデンの公共テレビ局「スウェーデンテレビ」では特集が組まれ、法学者を巻き込んでの議論が盛り上がった。
判決を不服として控訴したルンドストローム氏だが、二審では「児童ポルノ」に該当するとされた画像の数は減ったものの判決は覆らず、2011年11月に5,600クローナ(約6万3,000円)の罰金を科す判決が下された。
罰金の額が減った理由は、スウェーデンの法律によるものだ。同国では、罰金が年収に応じて変化するシステムで、<年収の1,000分の1×裁判所が命じる数値=罰金額>というもの。つまり、年収が激減したので罰金の額も減ったのだという。
そもそも、スウェーデンではスキャンレーションの蔓延もあり、商業ベースでの日本の漫画翻訳の需要が激減していたのが、ルンドストローム氏の年収が減った理由だった。ところが、二審判決の後には、有罪を理由に仕事がなくなってしまったという。
「スウェーデンで唯一、日本の漫画を翻訳出版していたボニエ・カールセン社から『児童ポルノで有罪になるような人とは仕事はできない』と切り捨てられてしまいました。出版社からの支援? そんなものはまったくありません。弁護士も教会の牧師と相談して自分で依頼したんですから。今は、高校で教師の仕事もしていますよ」
と、ルンドストローム氏は怒りを隠さない。この間、スウェーデンの記者協会や漫画振興会、作家や写真家の団体なども氏への有罪判決を批判している。また、政権与党の穏健党に属する国会議員のマリア・アブラハムソン氏が「人々の法律に対する尊敬を危うくする」と有罪判決を非難しているそうだ。
■警察の児童ポルノ担当者まで有罪を非難
さらに驚くのは、ルンドストローム氏を逮捕した警察関係者からも有罪判決を非難する声が上がっていることだ。
「5月16日に最高裁の第一回目の裁判が開かれたのですが、その前日、スウェーデン最大手新聞『Dagens Nyheter』で、スウェーデン警察の児童ポルノ担当のトップが『性的虐待の被害に遭っている子どもたちを助けなければならないのに、イラストを捜査対象にしている場合ではない。被害に遭っている子どもたちと、空想のイラストで描かれたものを同列に扱うのは、実際の子どもに失礼』と発言したんです。警察は、私の味方ですよ」(ルンドストローム氏)
最高裁が無罪判決を出す可能性も高そうだが、依然として予断を許さないのが現状だ。
「有罪にされても、スウェーデンが愚か者の国だったというわけですから、あまり気にしません。(有罪になったら)日本に行くことにします」(同)
王族も参加する、子どもに対する商業的な性的搾取の根絶を標榜する国際組織・エクパット(その日本の組織「エクパット東京」は、いわゆる「規制推進派」の牙城として知られる)の本部もあるスウェーデンでは、子どもを守ろうとする意識が「子ども=神」のごとく過剰で、結果的に子どもを守るならば表現の自由を制限しても構わないとまで考える人々が多いという。そうした中で、スウェーデン最高裁の判断の行方が注目される。当のルンドストローム氏も、判決を心待ちにしているのかと思いきや、実はそうではない。
「それよりも、娘の親権裁判がまだ続いているので、そちらのほうが大変なんですよ」(同)
日本でも「児童ポルノ」の所持を禁止し、「児童ポルノ」の定義を漫画にまで広げたならば冤罪を招くという主張が、規制強化に反対する人々からなされている。そうした危惧が、スウェーデンではすでに実際に起こっているのだ。
(取材・文=昼間たかし)
シモン・ルンドストローム氏(翻訳家)の事件に関する記事を資料として御紹介しておきます。
実際に小児性愛者であるかどうかは関係なく「嫌疑をかけられた」時点で警察は動き「家宅捜索」に踏み切れます。
その切っ掛けは「密告」なのでこのケースは防ぎ様がありません。その後の「失業」まで考えれば社会的には死刑宣告です。
そのまま彼は「児童ポルノ」を所持していた容疑者として逮捕されてしまったのだが、直接の逮捕容疑となったのは、彼がパソコンに保存していた300枚あまりのエロ漫画のダウンロード画像だった。警察は、保存されていた画像に描かれた女性キャラクターの胸の大きさに着目。胸の小さな女性キャラクターを「児童」であると判断し、51枚を「児童ポルノ」としたのである。
「基本的人権」以前の問題で規制に反対しなければならないのは「取り返しがつかない程普及してしまったから」です。
スウェーデンに限らず諸外国と比べ創作物の普及率が桁違いの日本で同じ事をやれば大惨事になる事は火を見るより明らかです。
再三御伝えしている様に我が国の児童ポルノの定義は「主観」で左右される程曖昧なものです。
古参の反対派が「ある意味では冤罪にすらならない定義」と表現してるのはこの為です。
いわゆる「3号ポルノ(規定)」の拡大解釈が危惧されてますが規制派はさらに範囲を広げろと要求しています。
そして「創作物」に関しても同様に「現行の定義より幅広くを違法化すべきである」と主張しているのです。
日本の反対派が危惧してる事の全てがスウェーデンでは日常的に起きています。
少し頭を柔らかくして「ロリコン規制」という思い込みを捨てて見れば児ポ法改正が以下に危険か想像に難くないと思います。
以前「どちらも悪法には違いないが人権擁護(救済)法案より遥かに危険」と言った理由が御分かり頂けたのでは?。
ちなみにこの悪法に既存の「保守政党議員」の大多数が賛成している事も覚えておくべきです。
■警察の児童ポルノ担当者まで有罪を非難
さらに驚くのは、ルンドストローム氏を逮捕した警察関係者からも有罪判決を非難する声が上がっていることだ。
「5月16日に最高裁の第一回目の裁判が開かれたのですが、その前日、スウェーデン最大手新聞『Dagens Nyheter』で、スウェーデン警察の児童ポルノ担当のトップが『性的虐待の被害に遭っている子どもたちを助けなければならないのに、イラストを捜査対象にしている場合ではない。被害に遭っている子どもたちと、空想のイラストで描かれたものを同列に扱うのは、実際の子どもに失礼』と発言したんです。警察は、私の味方ですよ」(ルンドストローム氏)
「絵を取り締まってる暇があったら実在の被害者を救え」という現場の警察官の至極真っ当な意見です。
児童虐待防止法の観点で見ている反対派と性表現規制法の観点で見ている推進派の決定的な違いです。
理想論としては推進派ですが反対派の方が「現実」を見ている事は客観的なデータにより明らかになっています。
これは規制に反対する上で絶対に指摘しておきたい点です。定義を明確にすべきと主張してるのもこれが理由です。
jmwjow38のAA日記
日本のエロ漫画所持で逮捕されたスウェーデン人「有罪なら日本に移住!」
http://d.hatena.ne.jp/jmwjow38/20120524/1337806992
Fällda fantasier
http://www.aftonbladet.se/kultur/article8483609.ab
リンク先に問題とされたイラストが公開されてますね。この程度の表現で逮捕されるなら日本人は殆ど犯罪者になりなすよ。
未成年に見えると言われればその通りかもしれませんが日本の絵の文化を諸外国に合わせろというのは無理があり過ぎます。




