
国際連合(国連)の「子どもの権利委員会」は「創作物規制」を盛り込んだ「児童の売買・児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利条約選択議定書(児童ポルノ禁止条約)」の新たな「運用ガイドライン」を採択しました。反対派の抵抗で原案に比べて後退したものの所謂「ウィーン条約違反(当事国の条約解釈権侵害)」を指摘されるレベルの危険な内容です。
■【速報】児童ポルノ禁止条約運用ガイドラインに案の定創作物規制が盛り込まれる
https://togetter.com/li/1405695
Togetter 2019年9月18日
まとめました。s_joker8982
■「児童の売買・児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利条約選択議定書の実施に関するガイドライン」公表に対する政府の見解
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/page23_003064.html
外務省 令和元年9月18日
1 9月17日,児童の権利委員会は,同委員会作成の「児童の売買,児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利条約選択議定書(選択議定書)の実施に関するガイドライン」(ガイドライン(PDF))を国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のウェブサイト上に公表しました。
2 政府としては,本ガイドラインが既存の条約等で規律されている分野・事項に言及する際には,慎重な検討が必要であると考え,本年3月末,児童の権利委員会に対して,本ガイドラインに対する意見(仮訳(PDF)/英文(PDF))を提出していました。にもかかわらず,今般,同委員会が我が国を含む選択議定書の締結国との間で十分な協議を行わないまま,本ガイドラインが公表されたことは残念であると考えます。
3 本ガイドラインは,選択議定書の実施を導くための手引きとして児童の権利委員会が独自に作成したものであって,本選択議定書の規定を変更・修正するものではなく,我が国を含む締約国に対して法的拘束力を有するものでありません。こうした政府の立場については,累次の機会にOHCHRに対して申し入れを行っており,OHCHRからは,本ガイドラインは締約国に対する法的拘束力を有するものではない旨の回答を得ています。
4 我が国は,今後も議論を注視するとともに,必要に応じて我が国の意見を適切に表明していきます。
Twitterの反応!
速報。国連の子どもの権利委員会は、児童ポルノ禁止条約(児童の売買等に関する児童の権利条約選択議定書)運用ガイドラインに創作物規制を盛り込んだ。完全にウィーン条約違反(当事国の条約解釈権侵害)だ。https://t.co/VkMxIOXVFz
— 高村武義 #WalkAway (@tk_takamura) September 17, 2019
国連人権高等弁務官事務所が、児童ポルノ選択議定書の新ガイドラインのローンチにあたってのプレスリリースを出しました。SNSやダークウェブでの児ポ・児童買春対策に全力をあげるのは素晴らしいですが、非実在との混同で無用な混乱を招かないようにして頂きたいところです。https://t.co/eLbKWnYd7C
- 荻野幸太郎 / OGINO, Kotaro (@gi_fuji_npo)2019/9/27
外務省が児童の権利委員会の児童ポルノ選択議定書ガイドラインについてコメントを出しました。懸念された児童ポルノの拡大は修正されたと認識とのこと。しかし外務省同様、締結国である日本に十分な説明がなかったことについて懸念を覚えます。外務省の迅速な対応に感謝ですhttps://t.co/2Z23vo1jFP
- 山田太郎 ⋈(参議院議員・全国比例) (@amadataro43)2019/9/18
子どもの権利委員会による児童ポルノ選択議定書のガイドラインが発表されました。速報段階ですが、創作物規制については原案よりだいぶ後退しました。世界で16しかない利害関係団体として認定された意見書の効果もあったかと思います。ご意見を頂いた皆さんに感謝しますhttps://t.co/9QtxxO6Wa6
— AFEE@エーフィー:エンターテイメント表現の自由の会 (@AFEEjp) September 18, 2019
ちゃんと意見を言うと国連だろうとなんだろうと、ちゃんと修正されるってことです。予断は許しませんが、原案のままだとめまいだったので、まずは良かった。 https://t.co/nesgRrxP8S
— 坂井崇俊⋈AFEE編集長⋈独身主義者 (@takato1204) September 18, 2019
インターネット検閲に要警戒!
プレリリースの仮訳については高村武義氏(@tk_takamura)のツイート(連ツイ)をご覧頂ければ全体の流れは掴める筈です。当初問題視された「depicting non-existing children(存在しない児童を描いた)」の文言はそのままで「創作物(18歳未満に見えるキャラクターを描いた作品や18歳未満に見える成人女優の出演するAVなど)」に関する条項は削除できなかったものの「パブリックコメント」や米国の児童保護団体「プロスタシア財団」等の抵抗で原案に比べてトーンダウンしました。特に重要なのは次の4点です。
法的拘束力の有無。前述の「運用ガイドライン」に法的拘束力はありません。外務省の公式見解によれば「本選択議定書の規定を変更・修正するものではなく我が国を含む締約国に対して法的拘束力を有するものでありません」と「国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)」の回答を得ています。
規制派の動向。法的拘束力は無いものの「児童ポルノ禁止条約」の「定義」に「創作物」を捻じ込んだ事の重大性はまったく変っていません。創作物規制を阻止できた訳ではありません。国内外の規制派はこれを足掛かりに独自に解釈して規制強化を狙ってくる筈です。今後の動向に要注意です。
規制派のロジック変更。子どもの権利委員会は「創作物は児童への性犯罪の引き金(原因)になる」といった「強力効果論(メディア効果論)」的なロジックは諦めた模様。しかし、代わりに「創作物は実在の児童の人権と尊厳を毀損してる」と所謂「集団的人権論」を持ち出してきました。個人的には更に厄介な展開になったような・・・。
インターネット検閲に要警戒。児童ポルノ規制は創作物だけの問題ではありません。荻野幸太郎氏(@ogi_fuji_npo)のツイートに要注目です。新たな運用ガイドラインのプレスリリースでは「SNS」や「ダークウェブ」での児童ポルノ及び児童買春対策を求めています。専門的な知識の必要なダークウェブについては特に反対はしません。問題は「前者」です。日本の「児童ポルノ」の「定義」は曖昧な上に非常に広範囲です。大規模な「インターネット検閲」に発展する可能性は留意しなければなりません。
尚、日本のNPO法人「うぐいすリボン」と連携してロビイングを行った米国の児童保護団体「プロスタシア財団」は「創作物と児童性的虐待の間に因果関係なし」を立証する為の研究を進めています。また「活動維持」の為に「寄付(クレジットカード可)」を募っています。表現規制反対派はご協力&拡散希望でお願いします。




