
※画像出典:毎日新聞
■銃・爆発物の製造情報、SNS事業者に削除要請 警察庁、23年度から
https://mainichi.jp/articles/20220830/k00/00m/040/129000c
毎日新聞 2022/8/30 16:44(最終更新 8/30 16:44)
安倍晋三元首相(67)が街頭演説中に銃撃されて死亡した事件を受け、警察庁は来年度から、インターネット上で銃器や爆発物の製造に関する情報が確認された場合、「有害情報」としてネット交流サービス(SNS)などの運営事業者に削除要請する方針を決めた。事件で逮捕された山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=はネット上の動画を見て銃を手作りしたなどとされ、警察庁は削除要請を通じ、銃や爆発物が自作されることを未然に防ぐ。
■不審者把握でAI活用 銃製造、ネット対策強化―警察庁報告書・安倍氏銃撃
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022082500638&g=soc
時事ドットコム 2022年08月25日 20時32分
安倍晋三元首相銃撃事件で、警護の問題点を検証した警察庁の報告書では、不審者を把握するためドローンや人工知能(AI)を活用する方針が盛り込まれた。山上徹也容疑者(41)がインターネット上の情報を参考に銃を製造していたことなどを踏まえ、ネット対策も強化する。
安倍晋三元首相銃撃事件の余波!
安倍晋三元首相の銃撃事件を受けて警察庁は、銃や爆発物などの製造に関するインターネット上の書き込みやサイトを「有害情報」に指定、サイトの管理者に削除を要請するなど対策を強化する方針です。
先月、警察庁の公表した警備の検証結果に関する報告書では「インターネットを通じて誰もが簡単に銃などの製造情報を入手でき新たな脅威が生じている」として対策の必要性を指摘しました。
事件の際に使われた手製の銃は一度に6この弾丸を発射できる仕組みでした。山上徹也容疑者は事件で銃や火薬について「YouTubeの動画を参考に製造した」と供述しています。
これに伴って、警察庁は銃や爆発物などの製造に関するインターネット上の書き込みやサイトを人の命に危険を与える「有害情報」に指定、サイトの管理者などに削除要請する方向で調整、そうした情報に容易にアクセスできないようにします。
有害情報対策強化に「約2億円」の概算要求!
現在、警察庁にサイバーパトロールを委託されている「インターネット・ホットラインセンター(IHC)」ではインターネット上に書き込まれた児童ポルノや薬物の密売などの違法な情報を確認、削除要請を行ってきました。ここに新たに銃や火薬などの製造情報をチェック対象に追加した上で一般人の通報に応じます。
具体的には「3Dプリンターなどを使った銃の設計図」や「爆発物の調合方法」などです。今後、委託事業者用のガイドラインを改定して該当するケースを決めます。尚、同庁は来年度の予算案の概算要求で対策に掛かる費用で「約1億9800万円」を盛り込みました。これはIHCの人件費などを含みます。
不審者把握にドローンやAIを活用!
また、警察庁は不審者を把握する為にドローンや人工知能(AI)を配備します。AIの活用では銃を取り出すなど異常な行動を検知するシステムを導入、実証実験を行います。都道府県警の作成した警護計画をチェックする際には現場の状況を確認するために3D画像の活用を検討しています。
更に、銃による襲撃対策では資機材の充実を図ります。警護対象者の背後を守る防弾壁や演台の上に設置する透明な防弾衝立などを整備します。外国の警護当局と共同訓練を定期的に実施するなど抜本的な改革を進める方針です。
銃の自作は増加傾向?
警察庁は2006年に拳銃の譲渡や爆発物の製造などを有害情報に指定した上でIHCを通じて削除要請していました。一方で、件数の少なさを国の行政改革推進会議で指摘されて2016年度に有害情報の指定そのものを取り止めています。
しかし、2017年に神奈川県座間市で発生した「座間9人殺害事件」を受けて、2018年に自殺勧誘を有害情報に指定、再度削除要請に力を入れています。
人を殺傷する為の銃砲や刀剣類に関しては使用や所持を「銃刀法」で厳しく規制、警察当局はこの規制を通じてこれらの流通を抑えてきたものの近年はインターネット上の情報を見て自作するケースは増加傾向です。
特に「銃」を自作は近年相次いでいて、神奈川県警は2014年にインターネットで入手した情報を基に拳銃を製造した元大学職員の男性を武器等製造法違反で逮捕、愛知県警は2018年に「3Dプリンター」で製造したプラスチック製の拳銃を所持した疑いで当時19歳の男子大学生を銃刀法違反容疑で逮捕しました。
警察庁直轄の表現規制団体!
削除要請可能なのは基本的に日本国内にサーバーに情報を置く国内業者のみで海外サーバーに情報を置いている動画等や海外経由の書き込みには対応できません。何処まで対応可能なのか?。実効性は疑問です。
一方で、違法・有害情報を受け付ける「インターネット・ホットラインセンター(IHC)」は「事実上警察の下部組織」です。警察庁直轄の表現規制団体と言っても過言ではありません。誰でも匿名のクレームで表現規制できるツールです。
前都議会議員の栗下善行氏は自身のTwitterで「記事の書き方はファジーなのですが、対策が強化されそうなIHC(インターネットホットラインセンター)はわいせつや児童ポルノ情報を筆頭に取り扱っており過去に問題事案があったことも広く知られるべきと思います。」と述べました。
安倍晋三元首相の銃撃事件は「警護・警備の失態=警察の問題」であって「有害情報に簡単にアクセスできた」は責任転嫁に過ぎません。公権力の要請は事実上の強制です。警察庁の方針は「表現の自由」を脅かす大問題です。知る権利の制限や検閲に繋がるのは確実です。これは極めて危険です。





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