
※画像出典:時事ドットコム
2022年12月02日(金)。地域の医療提供体制の強化策を盛り込んだ「改正感染症法」などは参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。新型コロナウイルス対応を教訓に次のパンデミックに備えて「地域の中核を担う病院に病床確保や発熱外来の設置」などを義務付ける内容です。今後、各都道府県は医療機関と協定締結に向けて協議を進めます。
■改正感染症法が成立 大病院に病床提供義務―付則でコロナ分類見直しも
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022120201054&g=soc
時事ドットコム 2022年12月02日 18時57分
新型コロナウイルスの教訓を生かし、次の感染症危機に備えるため、大規模病院に病床提供を義務付ける改正感染症法などが2日の参院本会議で、自民、立憲民主両党などの賛成多数で可決、成立した。一部を除き2024年度から施行される。付則には、新型コロナの同法上の位置付けについて速やかに検討を求める内容も盛り込まれた。
■コロナ分類、見直し議論本格化 改正感染症法「速やかに検討」―死亡率低下も公費負担課題に
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022120201061&g=soc
時事ドットコム 2022年12月03日 09時38分
改正感染症法の付則には、新型コロナウイルスの同法上の位置付けについて「速やかに検討する」との内容が盛り込まれた。厚生労働省は現在の「2類相当」から引き下げる方向で議論を本格化させるが、死亡率の低下や国産治療薬の登場など環境が整いつつある一方、公費負担の在り方などの課題も残っている。
地方自治体の権限で医療提供を勧告・指示!
成立したのは「改正感染症法」「改正予防接種法」「改正医療法」「改正新型インフルエンザ等対策特別措置法」などです。新たな感染症の発生時、自治体などで運営する公立・公的医療機関(約6500施設)、400床以上で大学病院中心の特定機能病院(87施設)、200床以上で救急医療可能な地域医療支援病院(685施設)に医療を提供する義務を課します。
各都道府県は感染症の予防計画を策定、地域の中核を担っている医療機関と医療提供を事前に約束する「協定」を結びます。各都道府県は平時に予防計画に沿って「病床」「発熱外来」「人材派遣」などの数値目標を盛り込んで各医療機関への割り当てを決めます。
各都道府県はこれに基いて医療機関に医療提供を「勧告・指示」できます。これに従わなかった特定機能病院や地域医療支援病院に関しては、国や各都道府県の権限で「承認」を取り消すことを可能にします。
新型コロナウイルスの「5類」への引き下げは確定的な情勢に!
更に、感染症の対応で収入減の場合に「流行前の差額」を「補填」する財政支援を行う仕組みを設けました。一方で、改正感染症法の付則には、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けや後遺症に関する医療の在り方について速やかに検討を求める内容を盛り込んでいます。成立した改正法は一部を除いて、再来年2024年(令和6年)4月に施行されます。
管理人後記!
改正検疫法では、日本に入国する外国人等への水際対策を強化、空港や港の検疫所の所長は「感染を疑われる人」に自宅などでの待機や報告など感染防止への協力を求めることを可能にします。正当な理由なくこれを拒んだ場合は待機の「指示」を可能に、従わない場合は6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金を科します。
改正新型インフルエンザ等対策特別措置法では、医師や看護師以外のワクチン接種を可能にしました。改正予防接種法では「マイナンバーカード」を活用して接種の対象者や「接種歴等」を把握、ワクチン接種に関連する事務のデジタル化を進めます。
一連の改正法で「各都道府県の知事の権限」を強化しました。本件は急ピッチで可決・成立、サッカーワールドカップの影響でまともに報道されていません。緊急事態条項の創設を柱にした「憲法改正」の地ならし的な意味を含んだ危険な流れです。更に、付則で新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを「5類」に引き下げるのは確定的になったので要注意です。





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