■【国際】「監視システムを日米共有」スノーデン氏との一問一答
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201706/CK2017060202000138.html
東京新聞 2017年6月2日 朝刊
-日本の共謀罪法案については。
「(法案に)懸念を表明した国連特別報告者に同意する。法案がなぜ必要なのか、明確な根拠が示されていない。新たな監視方法を公認することになる」
「大量監視の始まりであり、日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる」
-大量監視は何をもたらすか。
「『あなたに何も隠すものがないなら、何も恐れることはない』とも言われるが、これはナチス・ドイツのプロパガンダが起源だ。プライバシーとは『隠すため』のものではない。開かれ、人々が多様でいられ、自分の考えを持つことができる社会を守ることだ。かつて自由と呼ばれていたものがプライバシーだ」
「隠すことは何もないからプライバシーなどどうでもいいと言うのは『言論の自由はどうでもいい、なぜなら何も言いたいことがないから』と言うのと同じだ。反社会的で、自由に反する恥ずべき考え方だ」
-大量監視で国家と市民の関係は変わるか。
「民主主義において、国家と市民は本来一体であるべきだ。だが、監視社会は政府と一般人との力関係を、支配者と家臣のような関係に近づける。これは危険だ」
「(対テロ戦争後に成立した)愛国者法の説明で、米政府は現在の日本政府と同じことを言った。『これは一般人を対象にしていない。テロリストを見つけ出すためだ』と。だが法成立後、米政府はこの愛国者法を米国内だけでなく世界中の通話記録収集などに活用した」
-テロ対策に情報収集は不可欠との声もある。
「十年間続いた大量監視は、一件のテロも予防できなかったとする米国の独立委員会の報告書もある」
「当局の監視には、議会と司法の監督が有効だ。特に司法は、個別のケースについてチェックする必要がある」
エドワード・スノーデン氏「共謀罪」に警鐘 日本の「監視社会化」を危惧!
共謀罪の趣旨を盛り込んだテロ等組織犯罪準備罪を新設する組織的犯罪処罰法改正案。共同通信の取材を受けた元CIA職員のエドワード・スノーデン氏は「共謀罪に懸念を表明した国連特別報告者に同意する」「立法事実の明確な根拠が示されていない」「新たな監視方法を公認する事になる」と強い警鐘を鳴らしています。
先々月にお伝えしたメール監視システム「XKEYSCORE(エックスキースコア)」に関して改めて言及、日本政府と国家安全保障局(NSA)はXKEYSCOREを「共有した」と証言しました。日本政府は否定しているものの米国政府は供与を示す「機密文書」が本物である事を認めたそうです。
日本政府は現時点で「個人」の「通話」や「メール」等の「大量監視」を行える状態にある訳です。共謀罪が成立すれば「大量監視の始まりで日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる」と指摘しました。日本の「監視社会化」を促すと同時に「個人情報の大規模収集」を公認する事になると警告しています。
また、共謀罪の賛成派が「悪い事をしていなければ何も隠す必要はない」と発言している件に触れて「これはナチス・ドイツのプロパガンダが起源だ。プライバシーとは隠す為のものではない。開かれ、人々が多様でいられ、自分の考えを持つ事ができる社会を守ることだ。かつて自由と呼ばれていたものがプライバシーだ」と反論しています。
惜しむらくは日本国民の大半にエドワード・スノーデン氏の警告を理解できる程の「危機感」がない事です。同氏の懸念は高確率で現実のものになると思います。戦前レベルの監視社会を身を以って体験しなければ「共謀罪」の危険性に気付く事はないでしょうね・・・。




